第3話 天神流
え〜、どうもです!
天神流は僕のデビュー作、「武勇伝」の主人公が使う古武術です。もし、良かったら、新しく書き直しました「武勇伝」もどうぞ……
変身してない美奈子は、ただ武道が出来るだけの女だ。
チンピラの一人が、美奈子に近づき、胸などを触り始めた。
「よし!まずは俺たちにサービスしろ」
美奈子はチンピラの一人の、ズボンのチャックを下ろし始めた。
だが、その様子を見ていた龍一は、ついに激怒した。
「やめろ!」
「ああ?」
「龍一君!」
「なんだ?お前?」
チンピラの一人が龍一に近づいた。
「正義の味方か?おい!無視す……」
バキッ!
と音が公園に響いた。
龍一が、チンピラに裏拳で攻撃したのだ。
「ぐはっ……は、鼻が……」
チンピラは鼻を押さえた。どうやら鼻が折れたようだ。
「その人たちを放せば、これで終わりにしてやる」
「ふ、ふざけるな!」
チンピラ共は、一人を残し、3人で攻撃した。
龍一がニヤリと笑い、一瞬で3人を倒した。
どのような攻撃をしたのか、美奈子でさえ分からなかった。
「(い、今のなに?私にも分からなかったけど……)」
「や、やるな〜、小僧!」
「あとはお前だけだぜ!」
「くく、お前らが少しでも近づいてみろ、この女にカプセルを飲ます」
「カプセル?」
「龍一くん!あのカプセルを飲むと、人が化け物になるのよ!」
「くく、人質の女に飲ませるぞ!いいのか?」
「フン!やれよ!」
「な、何!?」
「俺はその人を知らないし、正義の味方じゃない!俺は……俺はただの修羅だ!」
鋭い目つきでチンピラを睨む龍一……
いつものおちゃらけた龍一ではない。
「やれ!」
「(こ、こいつ、本物の修羅だ……何であんな餓鬼が……)」
「どうした?俺が怖いのか?」
「くそったれ!」
チンピラは大声で叫び、自らカプセルを飲んだ。
「うおおお!」
チンピラの体がどんどん変化していく……
「龍一君!今のうちにやっつけて!」
龍一は微笑んだまま、動こうとはしなかった。
そして、チンピラは化け物に変わった。
「くく、殺してやる!」
化け物になったチンピラが、人質の女性を空に投げた。
だが、同時に、龍一が化け物の懐に入った。
「な、何!」
拳を強く握り、化け物の鳩尾に、気合の入った一撃を食らわせ、落ちてくる女性をそのまま抱きとめた。
「(す、すごい……あれが、あの龍一くんなの?)」
女性を下ろすと、お腹を抱えている化け物に向かって、
「弱いぜ!くず!」
と微笑みながら、言い放った。
「ば、馬鹿な〜、お、お前は一体……」
龍一の顔から、微笑が消えた。
「たった今から、俺が天神流の二十二代目だ!」
「な、何?」
「天神流……どこかで聞いたことがある流派だわ」
天神流……天正9年に起きた「第二次天正伊賀の乱」で生き延びた一人の忍びが、編み出したと云われる最強の古武術である。
「く、くそ〜……」
「化け物になっても、俺には勝てなかったな」
そう言って、右の上段回し蹴りが決まった。
化け物はそのまま吹っ飛んだ。
「クソ餓鬼!」
そう言って起とうとした化け物に、龍一は高く跳び、一回転し、化け物の頭にかかと落とし、さらに、もう片方の足で化け物を蹴り飛ばした。
これは「天誅」と呼ばれる技だ。
化け物が立ち上がることは、二度となかった……
「龍一くん、大丈夫?」
「ああ、化け物とはいえ、俺はまた人を殺した……」
「え?」
しばらく気を失っていた女性も、目を覚まし、龍一たちは彼女を送っていた。
「ありがとうございます」
「出来ればこの事は、誰にも内緒でお願いします」
「分かっています」
「それじゃ」
美奈子は微笑みながら手を振った。
だが、龍一は無言でその場を去った。
「ま、待って!」
美奈子の瞳には、寂しそうな表情の龍一が写っていた。
天神流の継承者たち
初代・・・天神斎
2代目・・・陽炎(お光)
3代目・・・影丸
4代目〜10代目不明
11代目・・・辰巳
12代目・・・不知火蛍
13代目・・・不知火彦斎
14代目・・・不知火幻次
15代目・・・月形十蔵
16代目・・・月形良昭
17代目・・・月形瑠奈
18代目・・・神威龍一
19代目・・・大空達也
20代目・・・不明
21代目・・・大空?
22代目・・・大空龍一
初代〜3代目は「天神流外伝」
11代目〜18代目は「武勇伝」