序章 アルテミス誕生
今から100年後……
時代は22世紀になっていた。
科学も進み、平和な時代だと思われたが、どんな時代でも悪は存在する。
だがそんな悪と戦う正義の女戦士がいた。
その名は愛の戦士アルテミス!
この物語は、そのアルテミスと悪者たちとの戦いを描いたものである。
2109年3月28日……
堤防で一人の老人が、4人のチンピラに殴られていた。
「ゴホッ……いいか、これはお前たちには渡さん!」
「ジジイ……なら、死ね!」
その時!
「やめなさい!」
一人の美しい女性が現れた。
「うお〜、いい女!」
「あ、あの娘は……」
「どうやら痛い目にあわないと分からないみたいね」
「な、何だと!」
チンピラ共は一斉に女性を攻撃した。
だが、一瞬で4人のチンピラは女に倒された。
「うっ……なんだ、この女」
「まだやる?」
「く、くそ……いくぞ!」
「お、おう……」
「大丈夫ですか?おじいさん……あ、あなたは、早見博士!」
「ふっ、まさかここで、お前さんに会えるとはなあ……美奈子ちゃん」
彼女の名は、如月美奈子(25)普段は喫茶店を経営している。
幼き頃から様々な武道を会得している女性だ。
さらに彼女は幼き頃、父親が母親を殺害し、その後父も自殺した。
そんな彼女を育てたのが、この早見博士という老人だ。
「実は、あの男がとんでもないことをしようとしている」
「あの男?」
「お前さんの元彼の、田島秀二じゃ」
「秀二が?だってアイツは、博士のところで助手をしてたはず」
「ああ、あいつがワシの元で助手をし、ワシの元で勉強していたのは、この世界の支配者になるためじゃ。ヤツは今、様々な悪人を使って、最強のバイオ戦士を作ろうとしている。それを知ったワシは、あるものを発明した。」
「あるもの?」
「これじゃ」
「こ、これは?」
「バトルブレスといってな、強い肉体と強い正義感を持った者のみ、最強の戦士、アルテミスに変身できるんじゃ。あと、これがそのブレスを詳しく書いた扱い書じゃ」
「最強の戦士、アルテミス……」
「さっきのチンピラ共は、これを狙っていたんじゃ……ウッ……ゴホッ、ゴホッ……」
博士は大量に吐血した。
「博士!今病院に……」
「も、もう遅い、ワシの体はすでに病に侵されとる。最後にアンタに会えてよかった……ワシの遺言だ!このブレスを使って、秀二を……この世界を守って……」
「博士!博士!」
美奈子は、博士を病院へ運んだが、すでに息はなかった。
「博士……私、このブレスを使って、この世界を守ります。たとえ敵が、元彼の秀二だろうと倒して見せます」
美奈子は喫茶店に戻り、ブレスをつけた。
するとブレスは光はじめた。
美奈子は博士が持っていたブレスの扱い書を読み、掛け声とともに、アルテミスへと変身した。
こうして新たな戦士、アルテミスが誕生した。
次回からは美奈子に好意を持つ少年と悪がきの少年が登場する予定です。