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うちのお嬢様が破滅エンドしかない悪役令嬢のようなので俺が救済したいと思います。【WEB版】  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』
アミューリア学園二年生編

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禁断症状が出始めた



忙しい…。

いや、分かっていた事なのだが。


「ではお茶の入れ方を練習しますよ」

「はーい」


1時間目と2時間目の授業を休み、俺は使用人宿舎の厨房でマーシャ、メグ、アメル、ルークを前に仁王立ちして腕を組む。

あれ? 俺、確か設定は「実は生きていた王子」でマーシャは「取り替えられた本物のお姫様」だよな?

で、ルークは多分「どこかの貴族の隠し子」だと思われるから……。

…この状況に違和感があるのは俺だけか。

そうか……。


「さてと、メグとアメルは特にお茶の淹れ方は…」

「全然分かりません」

「お、同じく!」

「そうか。まあ、誰でも最初は初心者だから、あんまり深刻に考えずに気楽に淹れてくれ。今日は練習なんだから、お茶淹れの流れだけでも覚えてくれればいいよ」

「は、はい!」

「よろしくお願いします」


…というか、ついに来てしまったか…メグ。

いや、昨日紹介されてから15回くらいそう思ったけど…。

ダサくて誰も被らないメイド帽子を被り、ロングスカートのメイド服で尻尾を隠して…お嬢様とマーシャによって遂にリース家の臨時メイドとして使用人宿舎に引っ越して来た第三のヒロイン…!

マーシャが俺にはなにも言ってこなかったところを思うと、メグが亜人である事にまだ気付いていないか、はたまたその件は俺やお嬢様にも伏せておくつもりなのか……。

前者っぽいよなぁ。

残念、俺は知ってるんだけどな!

昨夜ニコライにも「メグがお世話になります」って頭下げられたし…。

…まあ、ニコライの用事は勿論それだけではなかった。

亜人の武器の件の返答だ。

今しばらく鍛治師と話し合いたいらしい。

この後、学園に行ってレオたちに伝えないと。


だが、その前に……。



「マーシャァァァ…! 俺は前にポットは熱湯を注ぐから取っ手以外の場所は火傷の原因になったり、ポットをぶち撒けて周囲に被害を出す恐れがあるから絶対に触るなと注意したよなぁぁあ!」

「さ、触ってないよ! まだ!」

「今、触りそうになってただろうが! ちゃんと見てたぞ‼︎」

「う、うぅ〜」

「大体お前はこの間もレオハール王子にお茶を淹れさせて、自然な流れでそのお茶を受け取ってたけど本来お前の仕事なんだぞ! 去年から何度も何度も何度も何度も言ってるけど、自分の仕事を王子にやらすな!」


…もちろんメイドの仕事を自然な流れでやれてしまうレオもレオだが…。

あいつホンット王子の自覚足りないんじゃないのか?

そしてちゃんと完璧に美味しいお茶だったけれども!

マーシャにもあのくらいのレベルのお茶を淹れられるように…訂正、マーシャにもあのくらいのレベルのお茶を無事に怪我もなく、周りに被害も齎さずきちんと淹れられるとようになってもらいたいもんだ。


「だってレオ様のお茶美味しいし…」

「なに勝手に愛称呼びになってんの?」

「スティーブ様とお話してたら移っちゃって…。レオ様も「いいよ〜」って言ってくれたから!」


あのシスコン‼︎

その情景楽勝で眼に浮かぶわ!


「…そうか。まあ、レオがいいというなら良いけどな」

「義兄さんだってたまにそうやってレオ様のこと呼び捨てにするべさ!」

「俺だって良いんだよ! ちゃんと本人に許可をもらってるから! …つーかそう呼べって言われてるし!」


とかやってる俺らの横で…。


「……す、すごい会話してる…」

「う、うん」

「です〜…」


……生物学的に実の異母兄妹なので本当ならすごくもなんともないんだが…。

ルークたちにすればすごい会話になるのか。


「ルーク、蒸らし時間過ぎるぞ!」

「わあ! は、はい! …え、お義兄さん…時計も見ないで蒸らし時間が分かるんですか‼︎」

「さすがに感覚が慣れたな」

「す、すごいです〜」

「あ、あたしもお茶、淹れ終わりました!」

「俺も!」


全員がお茶を淹れ終え、試飲タイム。

まあ、予想通りマーシャ以外は俺の事前説明と手本通りに淹れられている。

…おかしいな、マーシャには去年から何度も教えているはずなんだが…。


「渋い…」

「な、なんで⁉︎」

「俺のセリフだポンコツメイド…! 茶葉の分量を間違えたな⁉︎」

「……はっ!」

「思い当たるらしいなぁ⁉︎」

「ご、ごめんなさ〜い!」

「ちち、違うんですお兄さん! あたしが途中で話しかけちゃって! それでマーシャがきっと分量を間違えたんだと思います!」


と、マーシャを庇うメグ。

頭を抱える。

例えそうだとしても、毎日淹れていれば体が覚えると思うんだが……。


「うん、ルークのは完璧だな」

「よ、良かったです〜」

「アメルのは少し雑味が出ているけど、初めてにしては上出来だと思う」

「よ、良かった…。けど、ライナス様にお出しするにはまだまだって事ですか?」

「そうだな。お茶だけならまだ駄目だ。けど、ライナス様は普通のお茶より蜂蜜茶が好きなんだ。あとでリース家で作ってる蜂蜜を分けてやろう。多分、この程度の雑味なら蜂蜜でかき消せる。最初のうちは蜂蜜で誤魔化して、ちゃんと淹れられるとようになったらお出しすれば良い」

「蜂蜜?」


あ、そこから説明しないと駄目なのか。

蜂蜜というのは〜…と説明しようとして、その前に最後、メグのを飲んでからにする事にした。

冷め過ぎたら判定しにくくなるからな。

それに、メグにはマーシャの代わりにお嬢様へお茶を出すという超重要な役目を負わせる事になるのだ。

悪いが、お世辞抜きできっちり味見させてもらう。


「……ぶうっ!」

「え⁉︎」

「ええ⁉︎ に、義兄さんが噴いたさ⁉︎」

「マーシャさんのお茶でも噴いたことのないお義兄さんが⁉︎」

「……げほげほげほ!」

「だ、大丈夫か⁉︎」


アメルに背中をさすられて、やっと噎せたのが治まってくる。

お、おぉ思いもよらなかった…!

だって口に入れた瞬間…しょっぱいんだぞ!


「塩⁉︎」

「塩⁉︎」

「え、メグ、塩入れたんさ⁉︎」

「えええ! い、入れてないよ! 砂糖なら入れたけど!」

「致命的か! どっちも入れちゃ駄目だ!」

「うええぇ⁉︎ ご、ごめんなさい! 貴族ってお茶にお砂糖入れるんだと思ってたから…」


なんの先入観⁉︎

お嬢様もスティーブン様も甘いものはお好きだが、お茶に砂糖はほとんど入れない。

何故ならお茶菓子が甘いから。

というか…。


「一体どのタイミングで塩を入れたんだ!」

「え、ポ、ポットに…」

「さすがにわたしでもやらないさ⁉︎」

「メグ、砂糖はカップに注いでお出しした後、主人の希望に応じてお入れするものだ! ポットにお湯を入れた時一緒に入れるものではない! あとなんで砂糖と塩を間違えた⁉︎ どこから持ってきたんだ⁉︎」

「あ、あそこから…」

「メグさん、もしかしてまだ文字の読み書きが出来ないんですか? こっちは塩で、砂糖はこっちなんですけど…」

「うっ! …い、一応練習はしてるんだけど…」

「く、厨房でやったのが失敗だったか…」


普通に調理用の塩と砂糖が常備してあるからな。

でもあんまり忙しい中ご飯食べてる使用人達の邪魔はしたくなかったから、厨房の一角でやってたんだけど…。

それが仇となるとは…。

ぐっ、まだ口の中がビリビリする…どんだけの量を入れたんだ…!


「それに砂糖を入れるにしても、お茶に入れる砂糖はこっちだ」

「そ、それは?」

「これは角砂糖。砂糖を四角く固めたもので、マーシャのようにドジなやつがいる時は分量を間違える事を防止出来るだけでなく、砂糖の摂取をセーブ出来る」


もちろん普通に粉砂糖もあるけど、今日はマーシャが居るので俺が用意しておいた。

角砂糖ならマーシャだって分量を間違えたりしないだろうと思って。

…まさか調理用の粉砂糖と間違えて塩をポットに投入されるとは思わなかった。

素人怖い。

思いもよらない。


「そ、そんな便利なものがあったんだ…」

「なんか含みを感じるー!」

「どうしましょう、お義兄さん…メグさんのポットの中、下にお塩が溜まっています…」

「あ、甘い方がいいと思って…!」

「よーし、全員使用したポットとカップを洗浄〜。一からやり直し!」

「はーい」


やはりまともにお茶を淹れられたのはルークだけだったな。

アメルは見込みがある。

…とはいえ、メグは気遣いが大失敗しただけでマーシャほど絶望的なドジというわけではないからな。

練習なんだから失敗してくれて良いんだけど…なかなか強烈な失敗だっただけで。


「…えーと、アメルとメグは使用人経験がないから…あとは…」

「アメルさんはライナス様の執事代行という扱いになるのでしょうか?」

「そう、だな。ライナス様は他に使用人を雇っておられないから。…となるとアメルは覚えることめちゃくちゃ多いな…」


正直、他の家の使用人を俺が教育する義理はないのだが…ライナス様は放っておくとケリーみたいになりそうだしなぁ…。

とは言え俺一人でこの人数をまとめて育てる時間は…。


「あ」

「?」


かちゃ、と食器を厨房へ運んで来たのはディリエアス家の執事、シェイラ・カーリストさん。

ポン、と手を叩く。

この人は俺が『オズワルド』、マーシャが『マリアンヌ』なのも知っている。

「うちの執事に話しておいたから、なにか困ったら相談すれば良い」とエディンに言われていたんだ。

……ホント、女関係以外はなんてまともな公爵家子息…。

執事どころか使用人すら連れてこなかったライナス様、ここだけは見習ってください。

じゃなくて。


「シェイラさん、良いですか?」

「はい、どうされましたか?」

「実は……」


公爵家の執事家系の人だから、使用人宿舎の中で俺よりもいろんな家の使用人に頼られて忙しそうなシェイラさん。

正直頼るのは申し訳ない。

しかし、俺も体は一つだけだ。

なので、授業のないアメルとメグの教育だけは使用人宿舎の人たち全員で行えないものだろうか。

ルークは授業があるから常に使用人の人たちに見ていてもらうことは出来ないけど…。


「成る程。分かりました、他の皆さんにも頼んでおきます。メグさん? は、確かもうアンジュさんに色々教わっていましたよね?」

「え、そうなのか?」

「は、はい。昨日マーシャに紹介されて…宿舎の中の事とか注意事項とか色々教わりました」


アンジュというのはリエラフィース侯爵家…あれだ、ヘンリエッタ嬢だ…の、執事家系のメイド。

俺がお嬢様の朝食を作っておくも、寝坊常習者のマーシャに運んでもらうのは絶望的なのでアンジュにお嬢様の部屋まで運んでもらっている。

ありがたいことに「うちのお嬢の部屋の隣ですかね〜、別にいいっすよ〜」と快く引き受けてくれたのだ。

メイドたちの中ではなんらかのヒエラルキーの頂点にいるらしいアンジュは面倒見がよく、使用人宿舎内ではシェイラさんと双璧を成すみんなのまとめ役。

使用人の中には下流貴族の方々もいるが、本職にはやはり敵わないのか…この二人が使用人宿舎の絶対権力者と言っても過言ではないだろう。

俺も執事家の者として見習わなければ…。


「アメルさんの教育の方は私も気にかけるように致します」

「すみません、よろしくお願いします」

「…その代わりと言ってはなんなのですが…ヴィンセントさんに一つお願いが…」

「は、はい? なんでしょうか?」

「実はうちの坊っちゃまのお帰りが深夜を過ぎることが増えてきまして…」

「ああ、そういえば最近よく眠そうにあくびをしておりますね…」


思い返すとまた夜遊びが酷くなっている。

『元サヤ作戦収束』に向けて女遊びを再開したせいだろう。

シェイラさんに話してないのか?

はぁ、と悩ましく溜息を吐くこの人は、アレだろうか…エディンの執事のせいなのか男なのに妙に人妻感がある。

…前世が女性の人なのかな…?

話し方も仕草も妙に女性的なんだよな…この人…。


「心配で尾行してみたところ、どうやら弓技場に通い詰めのようなのです」

「え…」


尾行…?

あ、いや、そこではなく…弓技場に通い詰め?

……まさか?


「深夜を過ぎても練習を続けているらしくて…。あんな場所、夜に練習しても暗くて的など見えません。ヴィンセントさんからも注意してくださいませんか」

「そうですね…分かりました」


弓技場に限らず、剣技場だって松明はあるが確かに夜中まで鍛錬に明け暮れるような奴はライナス様くらいだろう。

…使用人がいないからってあの人そういう無茶をするのだ。

そしてまさかエディンも?

眠そうだったのは夜遊びじゃなくて鍛錬で弓技場にいたから?

こ、公爵家〜…。


「それから、そろそろ登校されてはいかがでしょう? 確か専攻の授業には出られるのでしたよね?」

「あ、確かにそろそろ出ないと間に合いませんね。すみません、ありがとうございます」

「いえ、うちの坊っちゃまの件、どうぞ宜しくお願いします」

「はい。おーいルーク、行くぞー」

「は、はい!」


マーシャにメグを任せるのは不安すぎる。

だがアンジュともう知り合ってるなら大丈夫だろう。

アメルのこともシェイラさんに頼んできたし…。

サクサク準備をしてルークと登校。


「悪かったな、ルークにも朝の授業休ませて…。けど、あれなら今日からお嬢様とケリーのお茶は任せても良さそうだ」

「え、え、ぼ、ぼくがお嬢様とケリー様のお茶をお淹れしてもいいんですか…⁉︎」

「ああ」


俺はレオにおとなしく座っていてもらう。

あの王子…! 俺の目の前でお嬢様にお茶を淹れるからな!

…お嬢様…そういえば最近全然お嬢様と話していない気がする…。

以前なら一日中教室で一緒だったし、昼食も静かでゆっくり食べられていた。

だが2年に上がると1、2時間目以外は専攻授業で離れ離れ…。

昼はハミュエラハリケーンで大騒ぎ。

学園が終わったところで寮は別……。


「……………………」

「? お義兄さん…?」


あれ、ホントにお嬢様とお話してないな…?

お嬢様へのご奉仕は弁当くらい…。

…は、はががががが………じ、自覚してきたら体の震えが…!


「お、お義兄さん⁉︎ どうしたんですか⁉︎ 大丈夫ですか⁉︎」

「お、お…」

「お⁉︎」

「お嬢様にご奉仕がしたい! お嬢様のお弁当だけでなく! お茶を! 朝昼晩お側でお淹れして差し上げたい! お部屋をお掃除して、花壇のお世話をするお嬢様の道具を揃え、髪をとかしていろんな髪型にして差し上げたい! ドレスや装飾品や靴も選んで、お化粧もして差し上げて…! 靴やお洋服のお手入れとお茶菓子を作って……」

「ええ⁉︎ お、お義兄さん! どうして急に…しっかりしてください! こ、ここ道の真ん中ですよ⁉︎ お義兄さーん!」







********





「おや、ヘンリエッタ様?」

「ーーーー‼︎」


教室の入り口でコソコソしていたのはヘンリエッタ嬢。

学園にようやく着いたと思ったら、なんか変なもんと遭遇してしまったなぁ…。

何してんだこの人…?


「ヴィ、ヴィンセント…」

「本日はどの様なご用件ですか?」


にっこりと微笑む。

不審人物ではあるものの、この間倒れさせてしまったのは俺にも原因があるからな…多分。

差し当たりない感じでやり過ごそう。


「あ、あの、ローナ様はいらして?」

「お嬢様に?」


え、お嬢様に用事?

これまで執拗に俺の引き抜きに来ていたのに…?

な、なにか企んでる?

けど、この間謝罪に行った時、少し様子がおかしかったから…。

…まさか…本当に倒れた時、頭を打ってどこかおかしく…?

後頭部からいったからな…?


「…一応、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「…ええ。実は今度お茶会の主催に挑戦してみるつもりですの。ローナ様には先日、授業のノートをお借りしたでしょう? お礼も兼ねて、ご招待しようかと思いましたのよ」

「………そうですか、それは…お嬢様もお喜びになると思います。では、すぐにお呼びいたしますのでお待ち頂けますか?」

「ええ」


……。

え、え、えええ…?

やっぱり頭打っておかしくなった⁉︎

お嬢様がノートをお貸ししたのは、俺が半裸でいた事への謝罪。

それに対するお礼って…。

……あああ、申し訳ありませんお嬢様…!

…俺の軽率な行動でお嬢様に謝罪をさせてしまうなんて!

もう二度とその辺でうっかり半裸になったり致しません!

…じゃ、なくて……。


「お嬢様、ヘンリエッタ様が教室の出入り口でお待ちです」

「ヘンリエッタ様が? まぁ…なんの御用かしら?」

「お茶会のお誘い、との事ですが…」

「お茶会…?」


お嬢様も不思議そう。

席から立ち上がり、教室の入り口へと移動される。

あ、応じるんですね…。


「ヘンリエッタ様、お待たせ致しました」

「っ! …ご機嫌よう、ローナ様。突然お呼び立てして申し訳ありません」

「いいえ、むしろご足労頂きまして…。それで…お茶会を主催なされるとか…」

「ええ。わたくしはまだ主催を行なったことがないので…至らぬ事もあると思うのですが…。来て頂けますか?」

「ええ、喜んでお伺いしますわ」

「では、招待状が出来次第届けさせますわね」

「ありがとうございます。楽しみにしておりますわ」


丁寧にお辞儀をして、優雅に微笑むヘンリエッタ嬢。

…きょ、去年の彼女はドヤ顔で現れて「わたくしの従者にして差し上げると言っているのよ! ありがたく我が家の執事におなりなさーい! おーっほっほっほっほっほっ!」……っという系の人だったのに…。

俺じゃなくお嬢様に標的を変えた…?

ハッ! もしかして俺が半裸でうろいている男だと思われて完全に諦めてくれた?

それはそれで「違う!」と叫びたいけど!

諦めてもらったのは良かった!

…だが、なんでお嬢様に標的を変えたんだ?

ヘンリエッタ嬢はお嬢様と同じセントラルの領地を預かる侯爵家令嬢。

別段、お嬢様と親しくしても問題はなさそうだけど…。

去年の諸々があるから、少し調べておいた方がいいかな…?


「ヘンリエッタ様…本当にどうされたのかしら」

「で、ですね…?」

「お休みになられて以来、色々努力されているようだし…なにかあったのかしら? 素敵な事だとは思うけれど…」

「少し調べてみようかと思うのですが…」

「そうね…」


あ、やっぱりお嬢様も変だと思ってたんだな。

ですよね。





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