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うちのお嬢様が破滅エンドしかない悪役令嬢のようなので俺が救済したいと思います。【WEB版】  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』
戦争編

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VSゴルゴダ【3】

 

『フハハハハハ! そうだ! 貴様らに勝ち目などあるはずもない! 大人しくその魂を差し出せ! そうすれば苦しまずに殺してやる!』

「うるせぇんだよ、卑怯者! 鈴緒丸! とにかくやる!」

『それでいい。神と戦うのに今更小細工など仕込む暇はないからな! 心配しなくても、あの程度の武神相手ならば主人は戦える!』


 レオの魔力と剣技で攻撃をいなしても、俺たち全員に軽微とはいえダメージが入る。

 クソムカつく、なんだこの地味に厄介なチート効果!

 エメリエラの神力を鈴緒丸に貸してもらうっていうのも、無事うまくいくかわからない。

 そんな中でもゴルゴダの連続パンチ攻撃は、地道にこちらの体力を削っていく。

 こちらの攻撃は俺と鈴緒丸の微妙なダメージのみ。

 それも瞬く間に自己再生される。

 まずい、まずい、まずい。

 俺たちはエメリエラの無限にも思える魔力を供給してもらえているが、影鬼を押しとどめてくれているクレヴェリンデたちはそうではない。

 次第に魔法の攻撃が減って、ジリ貧になっていく。


『うーん、うーん!』

「エメ、まだ!?」

『よくわからないのだわー! 鈴緒丸にエメの神力をあげるって思ってるのにー!』

『従者石を通じて渡すイメージだぞー』

『やってるのだわー!』


 そんな状況なのに、エメリエラと鈴緒丸のやりとりはどことなくゆるい。

 力が抜けるからもう少し緊張感を持って戦ってほしい。


「……、……エメ、クレヴェリンデ様たちにも魔力回復と体力回復をしたいの! 力を貸して!」

『え?』

「大丈夫、焦らないで。落ち着いて。わたしたちならできる! 勝って帰ろう。わたし、クレヴェリンデ様とローナ様と、マーシャちゃんとメグちゃんとエメと、みんなでお茶したい。アニムさんにアルトさんを紹介して、クレイさんにガイさんを紹介するの。マーケイルさんはきっとラスティくんと仲良くなれると思うんだ」


 え? 真凛様?

 どうしてそう思われたのですか。

 いや、でもあのはちゃめちゃな奴をあの堅物に当てるのは案外悪くないかもしれない……?


『楽しそうなのだわ!』

「うん! でしょう!」


 焦ったようだったエメリエラの様子が、真凛様の声がけで変わった。

 機嫌がよさそうになった。

 ただ、それだけのはずなのに——!


「!」

『来た! 主人!』

「す、すげっ!」


 真凛様、すげぇ!

 エメリエラから放たれたワクワクなのかなんなのか。

 地面に光の花が現れ、俺たちの体力を一気に回復してくれる。

 その花畑は後方のクレヴェリンデたちの方にも広がり、彼方の体力と魔力を回復させた。

 心底、エメリエラだけでは女神の力は扱えないのだと思い知る。

 真凛様の存在が、エメリエラの本来の力を正しく引き出させているのだ。

 凄まじい……真凛様、本当にすごいです!

 そして、鈴緒丸にエメリエラの神力が——乗った!


「鈴流祇流 薄氷!」


 動きを止める。

 避けられては厄介だ。

 一気に畳み込んで終わらせたい。

 地面に薄く張った氷に、足下を固定されたゴルゴダ。

 ゴルゴダの胸に向けて鈴緒丸の剣先を固定。

 これは俺も初めて使う技。


「鈴流祇流 天の組 貫鳴ノ雷(かんめいのいかずち)!」

『っ!』


 たとえばこれがガイとかジオとか、獣人相手なら死にやしないかと心配しただろう。

 だがゴルゴダ、お前相手に手加減も慈悲も不要。

 ぶっ飛ばして存在を消し去るつもりで挑まなければ、ここから出ることすら叶わない。

 だから俺は手加減しないし、雷蓮からのすべての影響も利用するぞ。

 胸に(まと)を設定して、そこへ溜め込んだ鋭い雷を解き放つ魔法と複合の突き技。

 手数が多い技では、神力不足でダメージが減るかもしれない。

 それらを考慮して、一点突破の技にした。

 これなら——!


「どうだ!」

『ぐ、ううううっ! お、おのれぇ! この程度で俺を倒したと思うなぁ!』

「っち!」


 自己再生! 相変わらず速ぇ!

 あの再生能力なんとかできんのかね!


「クソ!」

『落ち着け、効いていないわけではない。あと十回くらい今の攻撃をすれば神力が削れてくるはずだ!』


 あと十回くらいやらんといけんのかいいぃーーー!

 長期戦になるのは覚悟してたが、俺は早く帰りたいんだよお嬢様のところへ!


 “では、私が手を貸してやりましょうか?”


「————」

『主人?』


 鈴緒丸ではない声。

 鳥の獣人との戦いの時に、俺の意識も体も支配した“意志”。

 殺したくて殺したくて仕方ない、と言わんばかりの溢れかえるような殺意。


「い、いらねぇよ!」


 鈴流木雷蓮、お前にこの体を明け渡すくらいなら、十回でも二十回でも『貫鳴ノ雷』を打ちまくってやる!

 この戦いは俺たちが始めたものだし、俺たちで終わらせるのだ。

 過去の因縁など、知ったことではない。


「貫鳴ノ雷!」

『ぐううぅっ!』


 そうだ、効いてないわけじゃない。

 ゲームよりも強いからなんだ!?

 想定していたより縛りが多いだけだ!

 対処方法がある分マシじゃねーか!


「——ヴィンセントさん!」

「!」


 真凛様の声に、振り返る。

 と、光の防御壁が影鬼の剣を受け止めて、俺を守ってくれた。

 え、影鬼が剣持ってる!?

 い、いや、それより真凛様に守られてしまった!?

 俺が守るべき人なのに——。



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