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其の12・一騎打ち

挿絵(By みてみん)

「放射能防護服は何着ありますか?後続の自衛隊の応援は?」佐助は自衛隊に聞いた。

「銃器の追加はありませんが、事故があったと処理してヘリと後続部隊が来ます。防護服は20着です」大尉が横からそう云った。

「銃器の追加は無い?」

「放射能汚染、または何かの事故として見聞に来ます。隊員葉は汚染事故死、あるいは爆死したと思っています」

「火力が通用する相手では無いが、盛岡基地ではそういう見解ですか?映像は送りましたか?」

「鬼来神社の連中が持っていったんですが、映像班は死にました。こちらでははっきり映ってるいるものがありません」

「隊員は放射能防護服を着込んで銃器しか持つ武器がない。動けますか?」


「な、なんとか。よし、みんな用意しろ。佐助さん、あなたも」

「わたしは要りません」

「な、生身で戦うんですか?!」

「わたしは術で放射能を遮断出来ます。いいですか?防護服の無い隊員は退却。村人達も全員退去」

「佐助さん!あなた一人で行くんですか?」

「はい。後方をお願いします」


退去や戦闘の準備にかかった。

「おかしいな。奴ら、まるで私たちが準備できるまで待っているようだ」


数時間後、準備が整った。村には自衛隊数十人、百目野、警察関係者、佐助だけになった。


佐助が村の中まで歩いて行った。そして叫んだ。

「出てこい!鬼ども!」


がおおおおおおおーーーーーーん!!

ズガアーーーーン!!

地面が割れ、身の丈5mはある鬼が3頭現れた。

其の姿は全身真っ赤である。所々肌が割れてひを吹いている。

佐助は背から帯刀を出すと一気に走っていった。


だだああっっだだだだ。


佐助の眼が緑色に光り、帯刀が真っ赤に燃えた。

火の鬼と火の剣の戦いだ。

後方で皆、あっけにとられている。

「実態化しやがった。な、なんていう化け物だ」


「鬼よ!覚悟せい!我が神剣ならお前を粉砕出来るぞ」


「馬鹿め」


すると佐助に向かって全員が火を吹いた。


ごおおおおおおおおーーーーーーー。

村はたちまち火の海だ。


佐助は10mほど上に飛んで身をかわし、1匹の鬼を切り裂いた。

ぐわあああああーーーー

斬られた鬼が霧状に粉砕した。


「殺せ!奴を殺せ!須佐と云えどもたった一人だぞ!」


「出でよ!邪蛇じゃじゃ

すると土中から大蛇が数匹出た。諏佐の配下の妖怪だ。


ががおーーーーーん!!

大蛇は鬼に絡みつくと、電撃のようなものを全身体から発した。

ぐわああああ。


佐助は飛び上がると1匹の鬼の首をねた。


後方で皆、呆気にとられた。

「あれが柳田教授が100年前に書き残した諏佐か………」百目野は呟いた。


鬼が佐助を手で振り払った。其の勢いで内田家の家のコンクリートが吹き飛んだ。

其れは吹き飛んだのではなく、一瞬にして溶けた。

「見てください。あれだ!」

「コンクリートが……何故?解ける」御厨みくりや教授が目を大きく見開いた。


ヒューーーーーー〜ーイ。何処からか呼び笛が鳴り響き、鬼が何かに気づきと辺りを見回して土中に潜った。


「逃げた!鬼が逃げたぞ!」勝った!」皆、感嘆の声を上げた。

佐助はまだ、其処に立っている。


挿絵(By みてみん)


観ると神社の方から誰かが歩いて来る。身長2mぐらいの人間だ。

「佐助、久しゅうの。何年ぶりだ?」

烈鬼れっきか?」佐助の顔が曇った。

どうやら鬼のリーダーらしい。


観ると其の男は甲冑を着ている。まるで戦国武将だ。


顔が兜の隙間から見えた。目が紅い。肌も紅い。人間では無い。

「其の甲冑は九郎殿のか?」九郎?佐助は聞いた。

「おう!如何にも。義経のな」

「サイズが合わんだろう?」

「俺の細胞を足した。武角はどうした?」

「謹慎中だ。人世には出てこない」


「百目野さん、なんの会話です?」自衛隊員には理解出来ない。

「源九郎義経の甲冑だと云っています」

「よ、義経?!800年前の話じゃ無いですか?!」

「源平時代に何かあったんでしょう」

皆、理解し始めた。

「武角が生きている?マッカーサーとのことで自刃したと聞いたが………天皇の嘘か……マッカーサー相手に」

百目野は可笑しかった。「武角が生きている」


自衛隊員が声をあげた。「見て下さい。ガイガーカウンターが0です」

「放射能は無い?」


佐助もその事に気付いて「烈鬼、放射能が出ていないな」と云った

「我らは自由に出せる。村人に罪はない。我らの棲何処を荒らした首謀者には容赦しないがな」

「お前らのせいで村人たちは被爆したぞ。村も壊滅だ」

「仕方ない。お前らがそうさせたのだ」

「報復は済んだろう?何故、まだ居る?」

「お前がいるからのうーーーーー!」


佐助が大声で叫んだ。

「皆さん、逃げて下さい!こいつは放射能より危険だ!」

烈鬼が手を地面にかざすと……


どごおおおおおん


村全体の地面が割れ、マグマが火を吹きながら立ち昇った。


「う、うわー!に、逃げろ!!」

大蛇が火塗れになって地底に逃げて行った。

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