2章6 アマミ 喫茶イコイ 女性店員(4)
きゃー、私が事件に巻き込まれるなんて! こんな映画みたいなこと、絶対、私には起きないないと思ってたのに!
…ワクワクするわ!
それにしても、この3人組の犯罪者って、お笑いでコントやってそうな人たちね。イケメンなら良かったのに。
店長は、すぐに電話をかけようとしたけど、見つかって止められちゃった。
私も彼らの目を盗んで電話したいんだけど、携帯はロッカーに入れてある。
「通報したいから、ロッカーに行って、携帯取ってきていいですかー?」って訊いたら、「絶対ダメ!」って言われそう。
どうしよう? 私は小さな声で店長に尋ねた。
「店長、どうしましょうか?」
「アマミさんの安全が第一です。何もしなくていいです。…あと私のことはマスターと呼ぶように」
「イエス、マイロード」
「…マスターです」
「何か、電話以外に、緊急通報装置ってないですか?」
「あります」
「えっ、あるんですか? 早く使いましょうよ」
「駄目です…。火災報知器だから下手に作動すると、お客さまの安全が保障できません。」
「確かに、うるさくって、犯人たちに通報がバレバレですもんね」
「なので、アマミさんは、何もせず、いつも通り仕事をしていてください」
「いつも通りですね」
店長は、犯罪者たちにコーヒーを淹れている。いつも通り、コーヒーを淹れる姿だけはかっこいい。
私もいつも通り働こう。
彼らは客席の奥で、人質を選び始めた。
私と店長は対象外?




