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2章1 ウメダ 銀行強盗(3) 

これまでのあらすじ


 商店街にある喫茶店イコイは、営業中、密かに害虫駆除を業者に依頼していた。


 殺し屋Gと裏組織(JMI)のクロスギは、殺しの打ち合わせのため、

 文学部2年のケンイチは、同人サークルの知人経由でマンガのシナリオを依頼されて、その打ち合わせのため、

 芸術学部2年のケンジ(ケンイチの双子の弟)は、家のネズミの駆除のため、業者に会いに、

 それぞれ、イコイにやって来た。


 それぞれ初対面であり、偶然が重なって、彼らは目的の相手を誤解して話を進めてしまう。


 殺し屋Gはケンジを裏組織(JMI)の人間と、

 ケンジは殺し屋Gを害虫駆除業者の社長と、

 裏組織(JMI)のクロスギはケンイチを殺し屋Gと、

 ケンイチはクロスギをマンガのシナリオの依頼者と。


 そんな状況の中、ウメダたち銀行強盗犯は警察から逃れるため、イコイに飛び込んで来た…。

 喫茶イコイ。


 店の中に入るなり、 俺は拳銃を取り出した。


「マツ! 非常口と窓を閉めてこい! タケ! 窓とドアのブラインドを下ろせ!」


 それから、店内の客に拳銃を見せつけるようにして、言った。


「お前ら! 死にたくなかったら余計なことはするなよ! 動くんじゃねぇ! お前だ! ジジイ! 新聞たたんで帰ろうとしてるんじゃねえ! おい、オヤジも! 電話から手を放せ! へそが2つになるぞ!」


 マツとタケが戻ってきた。


「アニキ、完了だ」

「よし、ひと息つこう」


 重いボストンバッグを持って走ったので、俺たちは顔から汗がダラダラ垂れていた。


「オヤジ、その水とコップを渡せ…。お前ら、勝手に動くなよ」


 さて…逃走はどうするか…。


「おい、マツ、ちょっ、ひとりで水を全部飲むな! マツ、別の水差しを持って来い」


 で、逃走は…、


「タケー、マツが汲んできた水を全部飲むな! もう1つ持って来い」


 で…逃走を…どうするか…


「マツー、何でまたお前が飲んでる!」


 くそ、…俺も先に水飲むか…。


 まずは、熱中症予防だ。


 フウー。水を飲み、ひと息ついた。


 それにしても、銀行を出てから、警報器が鳴りはじめるまでが短かった。


 銀行員どもが、脅しにかかわらず、警報装置を作動させたということは…、あいつら、爆弾が絶対に爆発しないと分かったんじゃないか?


「タケ、ちょっといいか?」

「なんです? アニキ」


「あのお前が作った爆弾、ちゃんと爆発するのか?」

「そりゃー、しますよー」


「ほんとか?」

「ええ、ちゃんと確認のために、昨夜、空き地で爆発させましたから。証人もたくさんいますよ。近所の人が起きて来て、警官もたくさん集まってきたから、すぐ逃げたけど。」


 俺が、昨晩うるさくて寝られなかったのは、お前のせいか…。


「で、壊れたりしないのか?」


「そりゃー、します、水かけたり、外に出てるコードを切ったりすれば、もう爆発なんかしません」


「銀行では大丈夫だったか?」

「もちろんです! 濡れないように、コード切らないように、気をつけて持って行きましたから。ちゃんとマツにも言いましたよ」


「マツ…、お前、爆弾、壊さなかったよなぁ」

「アニキー、おれが壊すわけないじゃないですかー」


「ほんとか?」

「ほんとですよー、おれも心配だったから、あの銀行員にも、絶対濡らすなよ! 絶対このコードを切るなよ! って言っときましたからー」


 ゴチッ!


「いてえ! アニキ何するんです!」


 くそ! 爆弾はお前のせいか…。


 まあいい! 今はどうやってここから脱出するか、だ。


 金は手に入った…、が、今頃、銀行には刑事がたくさん集まってるだろう。ブラインドの隙間から外を見ると、警官が巡回している。商店街の周辺もきっとそうだろう。


 まずこの店のヤツらが逃げたりしないように、1か所に集めないと。逃げられて通報でもされたら厄介だ。


「オラッ、ジジイ! 1番奥の席に移れ! そこの女も、お前も奥へ行け! オラッ、とっとと行け! それ以外のものは動くなよ! 電話なんてかけようとしたら、コイツで左と右耳の穴を開通させるぞ!」


 俺は拳銃を見せつけた。


 女は慌ててテーブルの上に広げてあった写真や書類を、トートバッグに突っ込み、パソコンを小脇に抱えて奥に走って行った。


 ジジイは何も持たずに、ゆっくりと奥へ歩いて行った。全員の客が奥の席に固まった。


 これで見張りが少し楽になるだろう。


「マツ、お前はあの客たちを見張ってろ」


 あいつらビクビクしてるな。銃なんて見たこともないんだろう。


 店員にはコーヒーでも淹れてもらうとするか…。


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