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4話 薄っぺらい神様

少し文字数増やしました。

二話分をまとめただけなんですけど。


『異世界を成長させる理由か』

「おそらくミック自身で異世界を成長させることは可能ですよね?」


 回りくどく俺たちにやらせる理由がわからない。

 善意で蘇生してくれるような、いい人でも無いだろうしね。


『ふむ……内緒かな』

「え?」

『言えないこともある。まぁ出来るけどやらないってことかな』


 この質問はダメなのか。何でも聞けよって雰囲気出してたのに。


「じゃぁ質問を変えるわ」


 設楽さんは喰い気味で質問した。


『ほう』

「どうなるとあなたは嬉しいの?」


 ミックはあからさまにニヤニヤしだした。


『ふふふ、なるほどね。

 いやぁ君は期待以上だな。

 ふ~~む、私が嬉しいのは、そうだな~』


 指で一人遊びをしている。一気に子供っぽい雰囲気になった。

 しかし、設楽さんが『嬉しい』なんて曖昧な単語を発するのが意外だった。

 俺には見えてないことも彼女には見えているんだろう。


『毎年、目覚ましい成果があることだな』


 設楽さんの眼がより鋭くなった。


「ふーん、そう」


 ミックはニヤニヤしている。なんか怪しいぜ。

 つまり、毎年目覚ましい成果があったほうがいい。

 だけど、ノルマは無いから何もしなくてもいいってことか。

 よくわからん。


『そうだな、一年に一度報告会をやろうか』

「報告会……ですか?」

『そうそう、ノルマはないが、

 何があったかは聞きたいところだ。

 一年経過したら、みんなをここに招待し、

 それなりにおもてなしさせていただくよ』


「ふ~む、ノルマは無いけど目覚ましい成果だと嬉しいんですね? なんか矛盾してる気が」


「ふふ、頑張りたければ頑張ればいいし、適度がいいなら適度でもいいってことさ。好きにしていいってことだよ」


 煮え切らないけど、自由にやっていいってことか。

 まぁ、報告会があるのはいいな。

 もてなしってのも楽しみだし。

 あ~ついでにもう一つ聞いておこう。


「もうひとつ聞いていいですか」

『ふふん積極的だね、いいよ』

「私達が選ばれた理由というか、選考条件みたいなのってあるんですか?」


 ミックは一呼吸置いた。

 なんだろう…大物ぶってる感じだ。


『ある。

 健康的な死体であることだ。

 そうでないと蘇生したとき意味がなくなる。

 蘇生といっても病巣をすべて取り去ったりすることはできないんでね』

「健康的な死体ってのも変な話ですね」


 たしかに、恐らく俺はアル中で死んだはず。

 肉体の損傷はほとんどないだろうしな。

 てことは、設楽さん金子さんも似たような死に方だったんだろうか。

 設楽さんのアル中姿を想像して少し吹き出しそうになった。


 ミックは指はクルクル、天を仰ぎながら考えてる。


『そうだな、あとは自然死。老衰とかもダメだな』

「たしかに、生き返った瞬間また死んでしまうな」


 金子先生がつぶやいた。

 それも想像すると面白いな。生き返った瞬間に死ぬのか。

 コントみたいだもんなぁ。 


『あとは生きる意志があることだな』

「生きる意志……」

『だから初めに聞いただろ、『君は蘇生を望むか』ってね』


 まぁ、少なくともこの三人は生に未練があるってことだな。


『さて、疑問はもう無いかな?』


「僕は大丈夫です」

「私も大丈夫」

「コクン」

『ふふふ』


 ミックはまた一呼吸置いた。これはなんかくるな……。

 

『じゃじゃ~ん、スタートボーナスのコーナー!』

「「は?」」

『ボーナスだよ、ボーナス!

 あるでしょ、今始めると魔法ボール100個的な』


 ……どこのソシャゲだよ。


『といっても、大したことじゃない』


 ミックは握りしめた手をグルグル回して、

 手を開くと、あら不思議、服が出てきた。


『衣装はプレゼントしよう、裸で放りだされたくはないだろ?

 あ、赤井ちゃん鼻の穴が拡がってるよ♪』

「うぇっ!?」

「……いやらしい」


 断じて拡がってない! 逆にそういわれると想像しちゃうぞ。

 ピンクの象を想像するな! って言われると、頭の中はピンクの象だらけになるんだぞ!


『ふふふ、女の子もいるし替えも多めに♪

 あとは食糧だね、半月分ぐらいはあげよう。味は期待しないでね。

 それと、少しお金かな。あ、ちなみに単位は円だよ』


 ミックは何もないところから、服を出したり、肉を出したり、見たことのない硬貨を出したりした。

 神というかマジシャンというか、ジー◯ーみたいだ。


 しかしお金は円なんだ。

 見たことのない硬貨には、『1000円』と刻まれている。


「円ってまるっきり日本ですね」

『まぁ、その辺は調整しているからね』


 共通語は日本語で、通貨は円か。神のなせる業って感じだ。

 まぁ異世界モノ特有のご都合主義ってやつだ。


『さぁさぁここからがメインイベントだよ!』


 どんどんテンションの上がるマジシャンミック。

 上がれば上がるほど、下がるものなーんだ。

 そうです、僕らのテンションです。


 テンションは最高潮へ。自分でドラムロールとかやりだして痛いぜミック。

 お、ミックの両手が光りだした。

 光の中から画用紙サイズのフリップが現れた。



『じゃ~ん!魔法プレゼントのコーナー♪』


「魔法!!」

「おおお!」

「ほ~」


 一番テンション上がったのが、意外に設楽さんだった。

 まぁ、魔法って言われるとテンションあがるよな!

 金子先生はあんまり変わらないけど。


 せっかくの異世界なのに、異世界らしさ今のとこゼロだったしな。

 ちょっとワクワクするぜ!


『まぁ大した魔法じゃないんだが

 異世界って感じがするだろ?

 一人に一つづつあげよう♪

 十個の中から一つずつ選んでよ』


 てことは三人だから三個選べるのか。

 なになに、フリップの中には色々書いてある。

 きったねぇ字だな……。


―――――――――――――――――

①治癒:肉体を治す

②剛帯:物体を強化する

③眼力:動体視力を上げる

④着火:火をつける

⑤跳躍:高く飛べる

⑥走駆:速く走れる

⑦隆土:土を隆起させる

⑧衝破:衝撃を飛ばす

⑨氷結:水を凍らせる

⑩探知:一定範囲を感知する

―――――――――――――――――


ふ~~む楽しい悩みの始まりだ

お二人目の評価をいただきました。


いやー、嬉しいものですね。

頑張ります。

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