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第十五回『あい・しあう』

これまでの異界交友記:嵐の新入門者コロナちゃん! ちょっとめんどい系!

 ほらぁ〜、言わんこっちゃない……ボロ負けじゃないか。一歩も動けないでやんの。


 ロタリアは、剣士として超一流の強さを持っていて、獣人族(ケムルフィン)のポテンシャルも兼ね備えてるんだ……普通にやって勝てるわけ無い。

 しかも、ロタリヤの奴は本気出してない。普段使わない型で戦った……大分舐めてるな。しかも、僕の苦手な型、当てつけかな?


 にしても、あんなでかい口叩いた割にダメダメじゃん。僕が初めて戦った時のがうまく動けたわ


「くそ~負けてしまいました! でも次は勝ちます!」


 その発言には、流石のロタリアも『困った』みたいな顔をしていた……

 一瞬、ロタリアと目が合う。


「……わかりました。しかし、次に戦うのはまだ先です」

「何言ってるんですか! これからやるに決まってるでしょ?!」

「今のあなたでは、私に指一本触れるどころか、まともに動くことすらできない」

「ぐっ! ……そ、それはどうですかね?!」

「間違いありません。なので、私と戦う前に助手であるミカに勝つことができたら、私への挑戦権を与えます」


 お母様……何故私めを巻き込むのでございますか?

 コロナと視線が交差する……なかなかかわいい顔だちしている。

 ボクはロリコンであるが、ペドではない。こんな三等身くらいの体躯に劣情を抱く事はありえない。


「えーイヤです! だって弱そうだもん!」


 はあぁ!? 何言っちゃってんの?

 僕がこの道場のNo.2よ?


「あなたにはうってつけです。何より、今のあなたではミカにすら勝てないわ」

「ぐぬぬ! じゃあ今からやりましょう! それで先生とまた組み手です!」

「良いでしょう。ミカ、準備を」

「は、はぁ……その前にお話しいいですか?」


 ロタリアを連れて隅の方へ……


「何を勝手なことを言ってるんですか? 僕は呪いのせいで木刀持てないんですよ?」

「良いじゃない。あの子真剣での組み手を望んでいるんだから」

「でも、この剣で切った生き物は死ぬんだよ? 僕はまだ人殺しになりたくない」

「……ならどうすればいいか考えなさい」


 久々に無茶振りキター!


「早くぅ〜お願いします!」


 コロナが急かしてくる。


「ほら早く」


 あぁもう……


「お、お願いします」


 コロナはやる気満々だ。けど僕は見えていないようだった。ずっとロタリアの事を見ている……こんなのに負けたら、シャレにならないぞ!


 ×   ×   ×


「ありがとうございました」

「あひがとうございました」


 はぁ……なんとかなった。

 体術を駆使して攻撃をやり過ごし、攻撃は鞘で行った。時間はかかるが、なんとかなるもんだ。やれば出来る男だぜ!


「ではみなさん稽古を開始しますよ」


 ようやく今日の稽古が初められそうだ。






 コロナは落ち込んでしまい隅っこで体育座り。

 フォロー入れておくか……イジメられるのは好きだが、イジメるのは性分ではない。


「コロナさん大丈夫?」

「大丈夫です!」

「……そんな風には見えませんよ?」


 さながら、女の子の日で体育を休んでいるみたいだ。


「大丈夫ったら大丈夫なの!」

「イテッ!」


 どうして殴ってくるかな?


「やっぱりあなた弱いじゃない!」


 なんでそうなるの!?


「先生! 直接戦わせて下さいよ!」

「ダメです。決まりは絶対です」

「ぐぬぬ! じゃあとっとと倒しちゃいますよ! ほらミカやるよ」

「お、おう」


 なんでこの子呼び捨てで……


 ×   ×   ×


 結局この日は全部で五戦行った。

 全戦全勝でした! 普段はロタリアから勝つ事はできないのでその逆だ。実にいい気分さ!


 コロナ自体そこまで弱い部類には入らない、きっとどこかで稽古をつけてもらっていたのだろう。しかし、うちの道場には彼女より強い奴がまだいる。





 次の日、僕は寝坊してしまった。

 普段は攻めてばかりなので、昨日のように守るばかりだと使う筋力が違うらしい……おかげで筋肉痛です! バンテリンくれ!!


「すみません! 遅れました!」


 やっぱり始まってるよな……


「お兄ちゃん先生遅いよ!」

「はやくしてよねぇ」

「お兄ちゃんのバーカ」


 ……本当に転生してよかった……つくづく思う……この状況が、崇高過ぎる……


 僕は新しく入った門下生や、幼い子の稽古の面倒を見るようにとロタリアから言われているのだ!


「ごめんごめんすぐ始めようか」


「遅いじゃないですか?! ミカ様!」

「ミカ様ぁ?!」


 右腕に衝撃、その正体はコロナだった。彼女が腕に絡みついていた。


「ヒューヒューお兄ちゃん先生熱いねぇ~」

「手が早いったらありゃしない」

「お兄ちゃんあたしとは遊びだったのね……」

「え……えぇ~」


 もう何からツッコんで良いのかわからない……どう言う状況なんだよ?


「もう皆ったら! ミカ様困ってるじゃない!」


 あ、察した……こいつ勝手な事、言ってるな。


「さ、好き同士の二人はあっちで昨日の続きしましょ?」


 何が『好き同士』だ! 意味わからんこと言うな。


「コロナさん……何勝手なこと言ってるんですか? 僕はあなたの邪魔をしているんですよ?」

「それはミカ様からの愛と受け取っています!」

「いや愛って……」

ロタリア(先生)と戦うことが目標でしたがもうそんなことどうでもいいのよ!」


 ロタリアの事、どうでもいいとか言っちゃったよ!?


「昨日はめっちゃ僕のこと格下に見てたじゃない!?」

「ミカ様の事、昨日家に帰ってからずっと考えていたの! …………はぁなんて素敵な方なんでしょう……って!」

「いや僕君をボコっただけよ?」

「わたしの全てを受け入れてくれる……そんな気がした!」


「もう過程なんてどうでもいいのよ! さ、二人で愛試合ましょう!」


 あぁ~辛い……人に好意持たれるのってこんなにつらいことなの?


 ×   ×   ×


「ありがとうございました!!」


 今日の稽古はこれにて終わりだ。

 コロナは突っ伏したままだった……まぁなんでかって僕との愛試合(稽古)は本日七戦。戦績は僕の七勝……圧勝だった。


「ほら、コロナさんたって」

「ズビバセン……!」


 この子戦闘狂っぽい感じでいるけど実力は普通だなんだよなぁ。

 基礎はしっかりしてるんだが太刀筋が素直なんだよな……まぁ昨日よりは幾分かマシだけどな。





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