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第十一回『エンカウンター その2』

これまでの異界交友記:年甲斐なくはしゃぐおっさん。クレイモアのミルキーファンタジアを装備した!

「さて僕が遭遇した場所まで行こうか」


 僕が先導し、路地を進む。

 あの日の記憶を頼りに進んでいく。


 ×   ×   ×


「……」

「……」


「…………」

「…………」


「………………」


 どうやって行ったっけ? やっぱりメモが必要だったなぁ。あの時、初めての道を暗い中当てもなく闇雲に歩いてたし。逃げる時だってすげー必死だった……いやあれよ、これは言い訳じゃないよ? 本当にマジで。


「まだ着かないの?」


 プ、プレッシャーが……はぁ、取り繕っても意味が無いか、正直に話そ、素直が一番。


「ごめんなさい。場所覚えてなかった……」

「はぁ……そんなことだと思った……ついてきて」


 う~見透かされてたか……この子、四歳にしてはしっかりしてるよなぁ。しっかりしろ三十二歳()

 ……まさか、この子も転生者で、中身は僕と同い年くらいなのか? ミノフスキー粒子レベルであるぞ。


 アマールが先導して進んでいく。彼女には、迷いが見られなかった。きっと行先がわかっているのだろう。

 道中「スマホが~」とか「車が~」とハッパを掛けてみたが、全く反応を見せなかった。彼女は転生者ではないみたいだ。前世の話をすると、生ごみを見るような目で僕を見返してくる。それは楽しくて仕方なかった。


 到着したのはドブ川のほとりだった。

 汚い水が流れている。

 流れてくる先は、暗渠(あんきょ)になっていて、さしずめ街の地下を流れる下水と言った所か。


「ここに出るんですか」

「ええ」


 ええって、前は教えてくれなかったじゃないか。知ってたなら教えてくれれば良かったのに……


「前に聞いた時教えてくれれば良かったのに」

「ごめんね。その時は知らなかったのよ。ここを突き止めたのは最近なの」


 なるほどなぁ……にしても怪我した僕って一体。


 その怪我だが、出発前にフィールズの魔法で治してもらった。これは流石にロタリアも快諾していた。この怪我を負けた時の言い訳にさせない為、との事。うん、スパルタね!


「さ、ここで出てくるのを待ちましょう」


 ×   ×   ×


 暇だ!

 何も起こる気配がない!


 土手に寝転がり空を眺めていた。星が綺麗だ。

 日本(前世)の空は明る過ぎる。田舎の方に行けばそんな事はないのだが、僕が暮らしていた都内じゃ、こんな空は見られない。


 もうすぐ現世(こっち)に来て三年かぁ……前世が遠い遠い昔に感じる。

 そして、徐々にだが、最近前世の記憶が薄れてきているように感じる。知識は覚えている事か多いのだが、親戚や友人の顔、あの時の少女の顔など、思い出せない時がある……

 だが、春を買った時の劣情は、未だにハッキリと思い出せる……ううぅ~身震いが……

 僕の記憶はどんどん忘れていってしまうのだろうか。それは、とてもさびしいな。


「はぁ……」

「ミカ!」


 物思いにふけっていると、アマールに呼ばれた。


「どうしました?」

「用意して……」


 アマールは、カバンから魔銃を取り出していた。おおおぉエンカウントしたのか!


 僕は、ミルキーファンタジアを手に立ち上がり、構える。

 流撃の型は、居合い斬りの構えに似ていて、長剣で戦う時に用いる型だ、この型なら抜刀しやすくなるからね。背や、腰に鞘があると、どうしても長剣は抜き辛くなってしまう為開発された物のようだ。

 そして、この型は剣と鞘による、二刀流での戦闘も想定に入っている。

 鞘を使わないものを『閃の構え』。

 鞘を使うものを『竜の構え』と、呼ぶ。

 僕が使うのは後者の『竜の構え』。また、この構えの中でも派生があり、攻撃に特化した、絶――


「来るよ!」

「?!」


 暗渠から姿を表したのは、この間の狼型の魔物であった。今回は三体!


「ミカが前衛で、私が後衛で行きましょう」

「……待って。あいつらなら、アマールさんの魔法でイチコロなんじゃないかな?」

「何で二人できたと思ってるの? 魔法使うのって無限じゃないんだよ。あんな高価な弾、そう安々と使えないわ。だから私は今回から援護よ」

「無敵の爆発系魔法でなんとかしてくださいよォーーーーーーー!!」

「え? 急に何?」

「いやなんでも無い……」

「まぁいいわ。早く行った。行った」

「でもほら、ドブ川で汚いし」


 僕ちゃんキレイ好きなのよ!


「何を今更ウジウジ言ってるのよ。何の為に私が『ワイバーンアタック社』の『ファフニールMk.V』持ってきたと思ってるのよ?! あの最高傑作、ファフニールシリーズで最も使い勝手がよく。同年代の銃の中でこれに勝るものはないわ! あらゆる弾を――」

「わかったよ! もう行くよ!」


 変なスイッチ入れちまったよ。

 アマールは物足りなそうな顔をしていたが、構わず僕は三匹の前に踊りでた。

 ……うげぇ! にゅるにゅるしゅる~……

 水深は浅いので思ったより動きにくくはないが、すごく気持ち悪い。足滑らせなきゃ良いが……フラグ立った……


 三体は、僕の姿を見て一瞬で敵と判断したのだろう。「グルルゥッ」と威嚇の姿勢。もっと、歓迎してくれよな。

 初めての戦闘が、まさかこんな足場の悪い所で三体も相手にしなきゃならないなんて、トホホだよ。


 チラッとアマールの方を確認すると、彼女はそこにいなかった……なんでや!

 くぅ~キッチリ倒して経験値にしたいのによ~。大丈夫かしら……

 なんて弱気になっていたら、一体が飛びかかってきた。


「わっ!」


 若干ビビったが抜刀する。その勢いのまま飛び込み中の魔物を攻撃。赤ゲージの武器だが、叩きつけて攻撃することぐらいできるだろう。

 当たった手応えがなかった。


 何故かと言うと、魔物を切り裂き真っ二つにしてしまった。


「はへ?」


 魔物は闇に消えていった……消えたってことは、倒したんだよな?

 確か、ロタリアの話では『コアを破壊できれば勝てる』って、言ってた。ってことは、運良くコアに触れられたのか……ラッキー!!


 ×   ×   ×


 なんで、木の枝が切れなかったミルキーファンタジアが、こんなにスパスパ魔物を切れるのか、さっぱり意味がわからなかったが、その後も魔物をスパっと斬り伏せた!

 この切れ味のおかげで、戦闘に手応えがなさすぎる。

 そして、ちゃんとフラグも回収したし……うう~服がグッチョングッチョンだよ~。


 さて、最後の一体もサクッとやっつけちゃいましょう!!

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