表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想の術式師  作者: センサ
脱引きこもり、学園入り
9/15

脱引きこもり、学園入り4


アリアは扉を開けて教室に一歩足を踏み込んだ。



「アリアちゃーん!!お兄ちゃんですよ!!」



彼女が扉を開けたのと同時に、少年がアリアに飛びついてきた。




「誰が、お前の妹だ。」




アリアはその生徒の顔の回し蹴りをくらわせる。見事に頬を小さな足が捉える。


そのまま少年は廊下に吹き飛ばされ壁に激突、リュータの足元に倒れた。



白目をむいて倒れている少年をリュータは冷たい目線で見つめる。そして、瞬時に関わってはいけない人間だと悟ったリュータは彼をいないように扱うことにした。



リュータは倒れている少年をまたいで教室に入る。教室の中では、四十人ほどの生徒が大人しく席についていた。




「今日から、このクラスに新しく生徒が加わることになった。」



アリアは、リュータに自己紹介するように言う。リュータは教卓の前に立ち、生徒を見渡した。



「名前はリュータ=クロッツ。何かの手違いでこのクラスになりました。なので、俺は術式がないと魔法を使えません。魔力も一般人と変わりません。」



それを聞いた生徒たちはざわつき始める。魔力の量が一般的な人間がこのクラスに入ってきたことに理解ができなかった。



リュータはもちらん自分が“空想の術式師”であることは秘密にしておく。もし知られるようなことがあれば、色々と面倒臭くなることは確定事項。下手をすれば命に係わることに巻き込まれるかもしれない。



「趣味はネットゲーム。特技は…えーと、課金かな。よろしくお願いします。」




パラパラと拍手がなる。リュータはアリアに指示された席に座る。一番奥の窓側の席。勉強する気のないリュータにとっては最高の席であ

る。



隣の席は桃色の髪の少女で、リュータが気になるのかチラチラと見る。あまりコミュニケーション能力の高くないリュータも自分から声をかけることはしない。



しかし、挨拶だけはしておこうと思い、会釈をしながら小さな声で「よろしく。」と言った。すると、少女は何も言わずに会釈を返した。



一方、リュータの前の席は誰もいなかった。だが、机の上には黒い鞄が置いてあった。



リュータはこの席の主が誰か予想がついた。それと同時に少し心が沈んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ