表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想の術式師  作者: センサ
脱引きこもり、学園入り
6/15

脱引きこもり、学園入り1

「君はエリサ=ブリラスさんの推薦でこの学校に来たわけだが…どうしてこの学園に?」



「俺が聞きたいです。」



リュータは、目の前の席に座る年老いた男性に言った。





エリサに学校に入るように言われたのは昨日。もちろん断ったリュータだったが、「もう手続きは済ましてあるから」と無理やり学園に送り込まれた。



エリサには何か考えがあってのことだとリュータも理解しているが、彼女が一体何を企んでいるのか全くわからなかった。





今、リュータがいるのはバルリッツ町から少し離れたダイメラ町という場所。ここは多くの人が行きかい、リベルス国で有数の都会である。



その町の中心にあるのがユルトラス高等学校。この学校は優秀な人材を輩出しており、卒業生には軍や警察の上層部の人間、大企業の役員や社長、政治家など多岐にわたっている。



エリサもこの学校の卒業生なのである。




リュータは、学校の校長室に呼ばれていた。彼の目の前にいる老人が校ユルトラス高等学校の校長。白い髭を生やし、顔には無数のシワ、椅子に座っていても腰が曲がっているように見える。



リュータと校長に挟まれるように置かれた机には、黒い杖が立てかけられていた。今は座っているが、立って歩くときはこれを使っていることが容易に想像できる。



「なるほどのぉ…」



校長はリュータに関して書かれていると思われる書類に目を通す。時折、相槌を打つかのように首を縦に振っていた。



書類はエリサが書いたもので、そのためリュータは何が書いてあるのかがわからない。



『変なこと書いてないよな…』



内心ビクビクしながら待っていると、校長が呼んでいた書類を机に置いた。





「ほっ、ほっ、ほっ。彼女には退屈させられなくて良い。」



「こっちは、あの人のせいで俺の人生設計めちゃくちゃですよ。」



嬉しそうに笑う校長に対して、リュータはため息を漏らす。エリサによって持ち込まれた災難がリュータの頭の中でフラッシュバックした。



「君…えーと、クロッツ君はブリラスさんとはお友達なのかい?」



「お友達じゃないです。主君と奴隷です。いや、彼女は暴君ですね。」




おそらくここにエリサがいたら、リュータの腹部には大きな穴が空いていただろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ