隣国の皇子は惚れ薬を使いました。
「親愛なる愛しの姫へ…だってギザすぎるわ~」
とある国の姫・タルテアは、自分に送られてきたプレゼントを品定めしていた。
「おかしください。贈り物の中に毒でも混ぜて寄越されていては大変ですから」
メイドは、が確認している時に危険物があっては困るのだと言う。
「まさかー」
タルテアは半信半疑で小包をメイドに渡す。
「やはり怪しいものがありました」
メイドが顔をしかめている。
「毒が?」
タルテアはメイドの持つ箱を凝視した。
「いいえ、惚れ薬です」
メイドは毒ではないと言う。
「なぜわかるの?」
「ご丁寧に表記してありましたから」
メイドはタルテアに手紙を見せる。
「不躾な物をお送り致しますが、惚れ薬です。
どうぞご自由にお使いください。
(こんな安っぽい惚れ薬を使わなくても、きっと貴女は私の虜です。もちろん私の…おっと、わざわざ書かずとも貴女には見透かされていることでしょう)」
タルテアとメイドはげんなりとしながら手紙をくしゃくしゃに丸めて燃やした。
「あら、何かしらこの匂い」
――――
「隣国の姫へプレゼントは贈ったか?」
「はっ、不得手なもので、侍従に選ばせました」
「まったく、百戦錬磨たるワシの息子とは思えんぞ」
「申し訳ありません」