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第二章 3.異世界で遭難・能力確認③

 さて、次は『完全なる肉体』だな。


 これに関しては、ネムの『情報検索能力』で調べて貰う事にした。


 ……すると『自己能力診断(ステータスチェック)』という能力があるらしいので、早速使ってみる事にした。



●加藤遥斗 人(イレギュラー・『完全なる肉体』)17(再現)歳

レベル0・HP34・MP12・スタミナ25

〈基礎能力〉

体力4・筋力5・器用3・敏捷4・精神力2・魔力1

〈スキル〉

『何でも切れる剣』『自己診断』『ソウルイート』『言語・文字理解』『全属性耐性』『剣技レベル1』


●加藤ネム 猫(イレギュラー・『完全なる肉体』)1(再現)歳

レベル0・HP14・MP56・スタミナ12

〈基礎能力〉

体力2・筋力2・器用2・敏捷6・精神力3・魔力7

〈スキル〉

『何でも分かる帽子』『自己診断』『ソウルイート』『言語・文字理解』『全属性耐性』



 とまぁ、こんな感じだ。

 ネムのステータスに関しては教えてもらった。


 なんと言うか、清々しいくらいRPGだな。

 これは、オレたちにも分かりやすく表示してくれているという事なんだろう。


 知力や運の良さなんかの項目が無いのが気になる。

 その辺りは、生得的なもので今後も変わることは無いという事だろうか?


 確かに、知力99の(MAXいくつか分からないが)オレとか、もはや別次元まで見えそうなくらいに、人格が変わってしまう可能性あるしな。


 そして、ステータスの合計値がネムより低いのが気になるが……気にしたら負けな気がするから、あえて考えないでおくとしよう。


 ――しっかし、オレ、精神力低いな。


 魔力はいいとしよう。

 オレの世界に、魔法なんてなかったし。

 ネムが魔力が高いのは、猫は霊力を持っているという話があるから良しとしよう。


 しかし、精神力でネムに負けていたのか。


 何が営業で鍛えた精神力だよ。

 オレは完全に脳筋(脳まで筋肉)だったらしい。


 年齢に関しては、邪神くんの所にいた辺りから若返っていたと考えると、霧が何か影響しているのだろうか?


 身体から魂が少しずつ霧になって溶けだしていて、そのせいで若返ったとか……。


 これに関しても答えは出なさそうだな。

 案外、一番効率の良い身体ってのが、オレにとってはこの年齢だったってだけかもしれない。


 スキルの『言語・文字理解』はこの世界の言葉や文字を理解し、話し、記入することのできる『完全なる肉体』の持つ能力らしい。


 この辺は、邪神くんがいい仕事をしてくれている。

 これで心配の種は一つ消えたな。


 『全属性耐性』ってのも、『完全なる肉体』の持つ能力だった。

 これは、ゲームでおなじみの属性攻撃への耐性だな。



 

 さて、次は『ソウルイート』だ。

 これもネムの『何でも分かる帽子』の能力、『情報検索能力』で調べてもらった。



●『ソウルイート』

 魂ある存在から、魂を吸収・浄化し、その絞りカスである『スキル』『基礎能力』を、自身に還元する力。

 『基礎能力』は相手を殺さずに吸収できるが、『スキル』は相手を殺さなければ吸収できない。



 なるほど。

 邪神くんが言うには、オレたちは『魂の位(レベル)』が無い世界で生まれたため、『魂の位(レベル)』を上げる事は出来ないらしい。


 ――これで奪えって事か。


 だが待てよ。

 こんなの人間から奪えないぞ?


 例え、相手を殺さないように『基礎能力』を奪ったとしても、体力1の人間が長生き出来るとは思えない。


 そういえば、ここは精霊と魔法の世界なんだよな。

 ファンタジーと言えば、定番のアレが存在するかもしれない。


「なあ、この世界って、モンスターとか居るのかな?ネムの『索敵能力』で調べられないか?」

「……ちょっと待ってね。――うわ、いっぱいいるよっ!とくに森の中にうじゃうじゃいるね」


 やっぱり、居たか。

 これは喜んでいいのか、悲しんでのいいのか分からんな。


「この辺り……草原にはいそう?」

「このあたりの草原にはいないよ。今のところは安全みたい」

「そうか。しばらくは警戒していてもらっていいかな?見える範囲はオレも警戒しておくから」

「わかった!」


 なんだか、張り切っているな。

 ネムは、モンスターと聞いて楽しそうだな。


 


 その後、オレたちはモンスターを警戒しつつ、実際に『ソウルイート』を使ってみる事にした。


 何に対してかって?『草原に暮らす小さな虫達に』さ!


 ああそうさ、オレはチキン野郎(開き直り)さ。


 まずバッタみたいな虫――うん、バッタだな。この世界にもバッタは居るんだ――に『ソウルイート』を使ってみた。


 すると、素早さが1だけ上昇してバッタは死んでしまった。


 ……す、すまぬ。


 同じ事を何度か繰り返すと、素早さの合計が14になった辺りで止まってしまい、他の『基礎能力』は上がることが無かった。


 ネムに関しても、オレと同様の結果となった。


 次に、石などをどかし、ミミズを捕まえて『ソウルイート』を使ってみた。


 すると、今度は体力が1上昇した。

 もちろん、ミミズは死んでしまった。


 オレたちは合掌して遺体を弔った。

 もちろん、バッタさんのお墓も作ったよ。


 そんな感じで同じことを繰り返して行くと、体力が合計10の辺りで止まってしまった。


 ソウルイートを行った対象によって、上がる『基礎能力』が違うという事だろうか?

 そして、ある一定まで行くと、その対象からは奪えなくなるのか?


 いや、オレたちの基礎能力が相手よりが高くなりすぎると奪えなくなると考えた方がいいのか?


 ネムに『何でも分かる帽子』で確認してもらうと、答えは後者、基礎能力が相手よりが高くなりすぎると奪えないとのことだ。


 まあ、バッタやミミズだったし、ここまで上げられたのが逆に脅威だと思う。


 そんな事を考えているとネムが言った。


「なんだか、身体がすごくダルいよ……」


 ネムは前足を前に投げ出し地面に寝転がる。


 言われてみれば、オレも身体がダルい。

 一日に何度も『ソウルイート』を使うと、身体がダルくなるのかな?


「しばらく休憩しようか」


 取りあえずオレたちは、能力検証を中断し一旦休憩する事にした。


 なんだか、検証するたびに新事実が浮かんでくるが、どうやら『何でも分かる帽子』は、質問に対して自分たちが知りたい情報しか教えてくれないらしい。


 気付いてなかったら痛い目を見そうだな。

 これに気付いただけでも収穫だ。




 一時間ほど休憩した後、オレはある事に気が付いた。

 それは、植物も『ソウルイート』出来るんじゃないかって事だ。


 ちなみに、その前に岩に『ソウルイート』しようとして失敗したんだけどね。


 その事を思いついた時、オレは自分の事を天才だと思ったね。


 そして、近くの雑草を手に取った。


「名もなき草よ!我が糧となり、永遠に我の中で生きるがよい!――ソウルイート!!」


 すかさず『自己能力診断ステータスチェック』を行う。


 魔力が1上昇していた。


 やった!予想通り、植物からも能力吸収できるぞ。


 魔力アップか。

 このまま魔力が上がり続ければ、脳筋卒業出来るかな……。


「ネム、この草で魔力が、がが、が……あ?」


 あれ?

 何だか頭が割れそうに痛いぞ。


 しかも、意識がもうろうとして……。


 そのまま、オレは意識を失った。




 ――気が付くと夕方だった。


 オレが意識を失っている間、ネムは必死に守ってくれていたらしい。


「――それでねっ。火を出す小さなトカゲと、水辺のスライムをたおして『ソウルイート』したら、『火魔法レベル2』と『水魔法レベル1』を手に入れたんだよ!」


 オレはネムの話を聞かずに、冷静に今回の出来事を分析していた。


 いや、聞いていられなかったのだ。


 ……どうやら、自分の『基礎能力』の同等か、上回る『基礎能力』を吸収してしまうと身体が耐えられなくなるらしい。


 今までは少しづつの上昇だったから耐えられたようだが、オレの魔力は1である。

 同じ1の上昇とはいえ、自身の倍の魔力を吸収した事になるのだ。

 

 つまり、オレは――


「……草に負けたのか」

「ちょっと、ボクの冒険をきいてよっ!」


 その日、オレは眠らずに地面の草を引っこ抜きながら、魔力を10まで上げた。


 異世界の夕日が妙に眩しく、なんだか霞んで見えたよ。




能力の説明はとりあえず終了です。


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