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まぁ、これはいつも通りの日常ではんば諦めていた身の上だし、(こいつらも殺人を犯したいわけではなく、只の憂さ晴らしに近い感じだから)これが、僕の死ぬ原因ではない。
変わったのは、あの瞬間からだった。
いつも通りのいじめ
いつも通りの暴力
只の『日常』だった。
僕に逆らうすべなど存在しなかった日々
それらがたった一瞬で本当に全てが変わったんだ……
いきなり全体を包み込むほどの強烈な光に襲われ、目を開けられなくなった。
「「「ぅっわぁぁぁぁあああああああ!!」」」
次に焼けるように熱い何かが全身を覆うように流れてきて、僕は声もなく叫んだ。
「っぁ―――――――――――――――――!!!!」
あつい あついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついっっっっ!か、らだが、、やげる!!!
僕……死ぬのかな?
頭の中でのたうち回るように叫んでいるなかで、冷静な『ぼく』が死を覚悟していた。
そのとき、
【これよりも体に負担が掛かると死に至る可能性があります。
ただいまより、緊急処置を行いたいます。
《封印》
完了しました。】
【緊急処置の特典として《転生》を取得しました。】
脳内に無機質な女の声が聞こえた。
すると、先程まで全身の焼けるような熱さから解放されたと、同時に
「ようこそ」
という透き通った女性の声がした。
そこには、波打つような金色の髪に透明に近い水のような青い瞳をもつ人外と、言って良いほどの美しい美女がいた。
その美しさは、色気など一切ない代わりに神々しささえ感じさせるものだった。
周りのものはその美しさに時間を止めてしまっていた。
しかし、僕はこの女性に違和感を感じていた。
なんだろうこの気持ちの悪い感じは?
あ、ああ!わかった !
目だ!
顔には、慈愛に満ちたような微笑みを浮かべているにも関わらず、彼女の目の奥には打算と欲にまみれていた。
うーん?多分、どれだけ僕らに利用価値が有るのかって考えてるのかな
神々しい微笑みの裏に隠している汚いにんげんの顔……
あぁ!何て綺麗なんだろう
っと話がズレた。
てか、話聞かなければ
「お初に御目にかかります、34名の勇者様方
私の名は、巫女姫 ユウナ=クラーシスと申します。」
そう、彼女(ユウナ=クラーシス)は言った。