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IDEAL―仮想理想世界― /Chapter-1「何でも屋《マスター・オーダー》」  作者: crow
Episode-3「必要悪《ネセサリーイビル》」
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Runtime-3「三角関係(V)」


 作者のcrowです(^_^)/


 今回の見どころは、一番最後です!


 ネタバレはしたくないので、これ以上、本編には触れませんが、とにかく最後です。


 作者はこういうシーンが一番好きですね~


 これからもこういうシーンを増やしていけるよう、頑張りたいと思います。



 それでは、本編をどうぞ(^_^)/








――18時40分 塩砦 屋上



 そこには現在4体のアバターが居た。


 1人目は、川の上流へと身体を向け、ガードしている忍者風の男・pass。


 2人目は、passに背を預け、塩砦へと身体を向けてガードしているスーツの女・memory。


 3人目は、つい今し方、塩砦から現れた青いロングコートのぱっつんとジト目が印象的な女性・demon。


 そして4人目は、そんな2人とdemonとの間で立ち止まった、白い水玉模様入りのピンクレインコートを着た女・query。


 pass達とquery、demonの位置関係は、queryが若干pass達に寄っているせいか、直角三角形の様だった。


 それは皮肉にも、queryにとっての状況と等しかった。勿論、恋愛としての三角関係ではなく、選択肢としての三角関係だ。


 queryに残された選択の余地は3つ。


 1つは、pass達の元へ行き、demonを悪者に仕立て上げpass達と協力してPKするか。


 1つは、demonの元へ行き、pass達を悪者に仕立て上げdemonと協力してPKするか。


 1つは、この場に留まり、隙を突いて1人ずつ全員PKするか。


(いいえ、どれも現実的ではないのでございますよ……)


 queryも気づいた通り、demonがこの場に来た時点で、今回を含めた一連のPKの事情について全て知っていると見るべきだ。


(今まで使っていた方法もバレているのでしたら、対策されているかもしれないのでございますよ……)


 加えて、レベル差300は優にあるdemonの、仮に隙を突けたとして一撃で仕留められるのか。


 いや、そもそもそれではqueryとしては本末転倒になってしまう。


(万事休す、でございますか……)


 潔く全てを明かそうとqueryが決心したその時、思いも寄らない事が起きた。


「アンタがサイジングをったのか……?」


 それはpassの声だった。身体の向きこそ依然として変わらないが、誰が聞いてもそれはdemonに向けられたものだと分かった。


 しかし、当の本人を除いては、だ。


「……」


 今のdemonの頭の中は、やっと見つけたqueryの事で一杯だった。


 更に言えば、両者の間にはqueryとは異なる勢力図が見えていた。


 demonには、現状が被害者グループとqueryという勢力図に見えていた。


 一方、pass達にはqueryを含めmemoryまでが味方、そして突然現れたdemonはPK犯という風に見えていた。


 故に、demonはpass達に感謝はされど敵対されるなど微塵も考えていなかったし、pass達も突如現れた相手が味方など思える筈もなかった。


 そこで先程passは単刀直入にdemonにストレートな質問を投げかけるに至った訳だが、それをdemonは華麗に無視スルーしてしまい、短気なpassの性格が起因し事態は急転する。


「『passさんの同盟設定がOFFになりました』」


 そのメッセージが表示されたのと同時にpassは地を蹴り、demonとの距離を詰め、両の手で握った仕込刀を振った。


「……なっ!?」


 しかし、驚きの声を上げたのはpassだった。


 passの唐突な攻撃をdemonはジャストタイミングでガードし、逆にpassを眩暈スタン状態にさせたのだった。


「何か、用……?」


 動揺も、抑揚もない機械染みた声が、無防備状態を強いられているpassへと興味無さそうに呟かれた。


 結局、demonは自身を攻撃し、逆に数秒間あらゆる操作を封じられ攻撃し放題だったpassに何もしなかった。


(クソっ、攻撃するまでもねえってかよ……!?)


 passが歯噛みしている間にもdemonはゆっくりとqueryに接近している。queryも諦めいるのか、逃げる様な素振りは見受けられない。


 けれど、もう1人はまだ諦めていなかった。


「『memoryさんの同盟設定がOFFになりました』」


「『噴水ウォータージェット』」


 どこからともなく現れた水流が、宙を重力に逆らって水平に真っ直ぐdemonへと飛んだ。


 それをまたもdemonは容易くガードしたが、狙いはダメージではなく後退ノックバック効果であり、queryとdemonの距離は始めの状態に戻った。


「クエリーちゃんは逃げて、ココは私とパスで大丈夫!」


 そう言って、『噴水』の動作硬直が解けたmemoryがqueryとdemonの間に立った。


「……わ、私は――」


「いいや、俺達に構わず行ってくれ。ダンジョンで何度もアンタに助けられた借りはここで返させてもらうぜ」


 2人の提案にqueryが口籠る中、それを良しとしない人物がいた。


「……クエリーは、行かせない。絶対に……!」


 現れて以来、初めて語気に感情が込められた言葉にpassとmemoryは戦慄した。


 それだけの事で、もうdemonが今までの様に無抵抗では居てくれない事をこの場の全員が理解できた。


(だからって、「はい、そうですか」ってクエリーを渡せるかよ……!?)


 ゆっくりと動き出すdemonと、まだ逃げていないquery、その間で武器のカメラを構えるmemory、そこに割り込む様にpassが走り込んだ。


 そして、その姿がdemonの視界に入った瞬間、この場の状況に相応しくない軽快な音と共にメッセージが表示される。


「『demonさんの同盟設定がOFFになりました』」


 それと同時にdemonの右手に杖が現れ、その先端がpassへと向けられた。


(くそっ、読まれてたか!?)


「『緊急回避エスケープ』」


 passは咄嗟に接近を止め、杖の射線上から逃れる様に地面を転がった。その直後、demonの杖に赤い炎の紋様が渦巻いた。


「加減できないから……『燃素フロギストン+99』」


 その言葉通り、派手な爆発音と共に周囲一帯が炎の海と化した。


 『燃素フロギストン』という魔術自体は周囲の物質から燃素を放出させ辺りを火の海にするダメージマジックで、JOB・信者が2つ目に覚える初歩の書攻撃だ。


 しかし、その熟練度が+99まで極められていれば話は別だ。その威力は初期状態(+0)の約10倍に相当するからだ。


 その上、demonのステータスと装備による追加分も合わせて計算すれば、「加減できない」という意味が冗談でも、挑発でもない本心からの心配だと分かる。


 故に、この男の到着はdemonにとっては嬉しい誤算だった。


 『燃素』発動から1秒も経たず、そのメッセージは現れた。


「『吸収体アブソーブ(火呪)』」


 『燃素』の説明文が火の海から炎の海に変わった時、『燃素』の発動後も一定時間炎が残り、ダメージを与える様になった。


 それ以来demonがこれを使った後、その海から生還した者は1人たりとも居なかった。


 しかし、demonの目の前にあった炎の海は見る見る球体に収束され、火の勢いは急速に弱まった。


 丁度、demonが炎の先に見える人影を捉えた時、その者の頭上に吹き出しが現れた。


「『悪いな、デーモン……こいつ等は俺の護衛対象なんでね』」


 時が経つまで消える筈のない炎の海が消えると、そこにはジャージ姿の青年・taskが居た。




 ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m


 最後の演出は如何だったでしょうか?


 ヒーローは遅れてやって来る、っていう演出はとても好きです。


 あとはすまし顔でやってのけてほしいですね。必死なのもいいですが、助けに来るときは流石に余裕を見せてくれないと、助けられる側も不安になりますからね。



 さて、次回の投稿は2015年02月10日午前9時頃を予定しています。


 それでは、次話も是非読んで下さい(^_^)/



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