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IDEAL―仮想理想世界― /Chapter-1「何でも屋《マスター・オーダー》」  作者: crow
Episode-3「必要悪《ネセサリーイビル》」
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Boot-2「鬼龍(V)」

 作者のcrowです(^_^)/


 今回の見どころは、新領地(エリア)、初ミッション、新キャラ(モブですが)です。


 あまり書くとネタバレしそうなので、ここはこの辺で切り上げます。


 最後に、作者的に今回の分割で一番大変だったのは新領地の背景描写です(^_^;)



 それでは本編をどうぞ。


――Blue Cup 第2準国家『鬼龍きりゅう』 17時30分 事件発生から20分経過



 『鬼龍』という領土は周りを山に囲まれ、その全ての山の谷に当たる川の上に隠れ里の様にして存在する準国家である。


 領土は各山との境を柵で隔離し、南東から北西に伸びた長方形に象られたその内部は3つの地区からなる。


 まず南東側・白龍地区、地面や建物の壁が白で統一された地域で東側が居住区、西側が中集団拠点スペースである。


 次に北西側・紫龍地区、白龍地区同様に紫一色で統一された地域であり、東側に中集団拠点スペース、西側は廃墟となっている。


 最後に中央・青龍地区、言うまでもなく青で統一された地域で、そこかしこにNPCの店が点在し、その中央には小さな塔が建っている。


 北から順に並べると紫龍→青龍→白龍という並びであり、各地区には隣の地区へと繋がる大きな通りが1本と、東西の区画から1本ずつ計3本の舗装された道がある。


 そして、今その大通りを歩く3つの人影がある。


「へえ、ココが『鬼龍』か」


「パスさん、『鬼龍』は初めてでございますか?」


「まあな。ソロが長かったから安定して稼げる『天樹』のミッションばっか受けてたし」


「私も、カンパニーの活動拠点が主に『天樹』でしたので」


「そうでございましたか……それでは、僭越ながら私が掲示板まで案内するのでございますよ」


「ああ、頼むよ。で、そこにもう1人が居るんだよな?」


「ええ、そうでございます」




――話は『天樹』でパーティー勧誘にOKを出したその後まで遡る……



「それで、なに受けるんだ?」


「そうですね……差し支えなければお二方のお名前とLV、JOB、戦闘スタイルを伺ってもよろしいでございますか?」


「ああ、そういえば言ってなかったな。俺はパス、LVは113で、JOBは忍者だ。自慢じゃないが、基本的にソロで活動している。だから連携とかはあまり得意じゃない。得意な事は奇襲、最近は隠密テクで敵をやり過ごすのなんかもハマってる」


「私はメモリー、LV105、JOB・記者、私自身あんまり戦闘向きじゃないからパーティー組む時は大体、後方支援かな。前衛もできなくはないんだけど、ね……」


「ふむふむ……あ、私の方も言わないとでございますね。改めましてクエリーです、LVは127で、JOBは錬金術師でございます。パーティーでの役職はブースターでございます。


 そうでございますね……――この火力ですと討伐系のミッションは厳しいかと思いますし、事前情報のない開拓系ミッションも対応し切れないと思いますので、収集ミッションなど如何でございますか?」


「ん、まあ、妥当だよな?」


「はい、異論はないです」


「それでは……これなんて如何でございますか?」


 そう言って、queryはあらかじめ用意してあったのか、スムーズにミッション内容が書かれたチャットを表示した。


「えっと、『真水を届けろ』知らんな。で、難度は――E20!?」


「こんな高難易度……大丈夫なんですか?」


「まあ、E級と言っても納品ミッションですのでご心配無用でございますよ。いざと言う時は私が何とか致しますので、大船に乗って頂いて構いませんのでございますよ」


「おお、心強いな」


「流石、8G4Cに名を連ねる中集団のメンバーよね……パスなんかとは説得力が違う」


「そうだな――って、おい! さらっと人を貶してんじゃねえぞ」


「事実です、記者は嘘吐きませーん」


「ふふっ、お二方は仲がよろしいのでございますね」


「「そんなことは……!」」


「また、息ピッタリでございますよ」


 それから、少しの間passとmemoryの言い争いは続いたが、それを全く意に介さないqueryの言葉ですぐに終結した。


「それはそうと、このミッション『鬼龍』でしか受注できませんので移動致してもよろしいのでございますか?」


「そういう事なら仕方ないな、ペイント達にはKIZUNAで連絡入れとけばいいだろ?」


「そうね、私の方から連絡入れておくわ」


「ああ、最後に1点、重大な事を言い忘れていたのでございます」


「ん、なんだ?」


「必ず、携帯超高級食材をお持ちしてほしいのでございます」


 当たり前と言えば当たり前の様な気もするその発言に、2人は少しの疑問を残しながらも頷いたのだった。



――そして、現在に至る 掲示板前



「あそこが掲示板でございますよ」


 そう、queryが示した先はまばらにアバターが居るだけで、『天樹』の様な賑わいはなかった。


 『鬼龍』自体は決して小さな領土ではないが、どの大陸(サーバー)も準国家くらいまで進むのはE級ミッションで安定して稼げるくらいのプレイヤーのみとなりどうしても過疎化する。


 特に、新領地でもない限りは開拓からの経過時間と共に人は減少する一方だ。


 しかし、そのおかげで目的の人物はすぐに見つける事ができた。


「ああ、居たのでございますよ。サイジングさん~」


 呼ばれて反応したのは、某大衆向けアニメーション映画に登場しそうな、王子の様な恰好をした彫りの深い男性だった。


 その男性ことsizingが3人の方に向かって来ると、queryは入れ替わる様に掲示板に向かって歩き出した。


「私はミッションの受注に行きますので、お二方と待っていてほしいのでございます」


「分かったよ。頼んでしまってすまないね、クエリーちゃん」


 2人は別れると、queryは掲示板へ、sizingはpass達の元へと来た。


「やあ。僕はサイジング、よろしく」


 そう言って、sizingは礼儀正しい礼(勿論、ただのモーションだが)を2人にした。


「パスだ」


「メモリーです」


「見た感じ……パスくんは前衛で、メモリーちゃんは後衛ってところかな?」


「その通りです……サイジングさんは前衛ですか?」


「そ、身を呈してみんなの事を守ってあげるよ」


「わぁ、頼もしい~(棒読み)」


 そんな他愛もない話をしていると、いつの間にかqueryが3人の元へと帰ってきていた。


「おや、もう仲良くなられたようで安心したのでございますよ~」


「ミッションの受注お疲れさま、クエリーちゃん」


「はい、ありがとうございます。


 さて、ミッションも無事受注できましたので早速『塩砦しおさい』へ行くのでございますよ」


「「おおー!」」


「おぉ……」


 memoryとsizingの威勢のいい掛け声と腕を上げるモーションに続いて、passも渋々そのノリに応じるのであった。


 ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m


 『鬼龍』という領地は如何だったでしょうか?


 『天樹』が繁華街や建物が密集しているイメージなのに対し、『鬼龍』は自然豊かで人も少ない対照的なイメージとなっています。



 次回の投稿は2015年01月06日午前9時頃を予定しています。


 そして、次回の投稿が年を越すので、先にご挨拶を。


 あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いしますm(_ _)m


 それでは、次話も是非読んで下さい(^_^)/



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