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黒服の男 - その1

大型店舗にて。

隣を歩く彼女((いま)だに名前を教えてくれない)が急に腕を(から)めてきた。そのまま方向転換。


「え、なんで?」


「いいからっ」


えー?説明ぐらいしてくれないのか。ブラをしてないらしくて、とっても柔らかいモノが腕に当たってしまっているんですけど…………ッ。

と、僕が(せん)(きょう)々としていると、後ろから声を掛けられた。


「すみません。お時間よろしいでしょうか」


有無を言わせない物言いに振り向くと、スーツの上からでも分かる筋肉質な黒服サングラスの大男が立っていた。

僕の『隣の彼女はお嬢様説』は本当かもしれない、なんて思った瞬間。


矢張(やは)りっ、貴様、梨美(りよ)お嬢様から手を放せ!」


彼は僕の隣にいる女性を認めた直後、声を荒げて僕の腕を掴み上げた。


「えっ?()てッ()ででででででッ!?」


そのまま後ろ手に(ひね)り上げられてしまった。腕力の差とかそんな問題ではない。体勢が不利過ぎる。


「ちょっと!何すんのよ!?」


「お嬢様!この男は誰ですか!」


「痛ってぇなっ!!」


相手の動きが一瞬止まったところで、僕はダンッ!と大男の足の爪先(つまさき)目掛けて(かかと)()み落とした。


*踏み落とし(()み落とし)とは、七言(しちごん)の律詩・絶句の第一句に押韻(おういん)しないこと。

よって、上記の用法は間違いかもしれないが、強行突破。*


「い"ぃ!?!?」


爪先の激痛により彼の握力が弱まって僕の腕が解放されたので、反対側の腕で肘鉄(ひじてつ)を相手の鳩尾(みぞおち)に突いて、距離を取る。その際に彼女を引き寄せて僕の後ろに隠した。

逃げてもすぐに捕まってしまうだろう。

それに体格差があるから、掴み合ったら確実に押し負ける。

筋力に自信なんてないしね。

てかこの人、柔道かレスリングでもやってそうだな。

先程(さきほど)は彼が油断していたから反撃できたものの、次はそうはいかないだろう。




…………さて、どうしよう。

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