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藤5
着実に準備が整ってきている。あと一つ、これさえうまくいけば計画は成功だ。僕は『烏』に会うことができる。
ここまでなかなか大変だった。思えばこの計画は杉山君に接触したときから始まっていたのかもしれない。何度もわき道にそれてきたが、ここまでくればほぼ一直線だ。計算が狂うこともほとんどないだろう。
わき道にそれたおかげで随分時間がかかってしまった。けれども、終わってみて考えると、これは運命だったのかもしれない。僕の計算できない世界に流れる力が働いたのかもしれない。
僕は体育館の裏に向かう。思った通り、見慣れた4人組がいた。
「何だ、おまえ?なんか用か?」
虚勢を張っているが、怯えてもいる。蛍君と杉山君にやられた恐怖が頭に焼きついているためだろう。
「ちょっと話があるんですよ。」
僕は4人に耳打ちする。退屈そうな4人の目が輝き、表情にも明るさが戻る。
「おもしれえな。いいぜ、やってやるよ。」
これで準備は整った。夕刻、西の空に太陽が沈むとき、屋上に『烏』が舞い降りる。




