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ホタルイカ  作者: 大藪鴻大
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 ふと、空を見る。この空は誰のものだ?確かに今見ているこの空は存在する。しかし、この空が他の誰かが見ている空と同じだとは言い切れないのではないか。

 いや、もしかしたら同じものを見ることで、同じ空を見ることで、全てが同じではなくとも共有できるものがあるのかもしれない。手と手がつながることで、感覚は異なれども共有できるものがあるのかもしれない。同じ時間を生きることで、別々の人生も共有できるものがあるのかもしれない。

 誰もいない道。先程、回収した自転車を夕陽のある方に向かって押しながら歩く。黒い羽が静かに落ちたことに気がつかない。


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