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2、ミステリアス上等



ナキア国の国王、クロウィズ・アルテア・ナキアンは一年ほど前、体調を崩した父である前国王の後を継いだばかりの若い国王である。


御年25歳の若さながら、真面目で優しく、国民にも良い王になりそうだと将来性に期待されている。


少々、たよりなさげなのも愛嬌とおばちゃん達に大人気だ。


そんな彼に早く素敵なお嫁さんが来るといいと誰もが思っていたところに嫁を飛ばして息子が来た。


母御は何処の誰だと問い詰めても

「母が何処の誰であっても、この子は私の子供、それで良いではないか」

と、はぐらかす。


それでも、臣下の者たちは、すっかり子煩悩な父となった国王に少なくとも、押し付けられた不慮の子ではないと、確信を持っていたから生暖かく見守りムードになっていた。


それに、子供といる時間を捻出するために、政務を今まで以上に精力的にこなすようになり、能率もアップしている。


宰相は

「父となり、国王はより成長なされた」

と、感動の涙にハンカチを濡らした。


「それはちょっとオーバーじゃないか?」


クロウィズは小さな息子をあやしながら、呟いた。


「しかしながら陛下、このまま、母御の知れぬ王子様では公にはできませぬ、まずはおおまかな素性を作り上げましょう」


「何をする気だ?宰相」

「国内貴族の令嬢との子として、体裁を整えましょう、なに、出産で体調崩して療養中とでもしとけばいいのですよ、誰も知らない秘密の王妃、いっそのことミステリアスなままにしておきましょう」


いたずらっ子のような宰相の提案に国王は爆笑と共に乗ったのだった。



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