アルベートside 周りの評価編(番外編)
番外編の四話目です!
よろしくお願いします!
周りの評価編(結婚前の話です。アルベートside)
「そう言えば、フォーカイス辺境伯様、婚約なさったんですって?」
アルベートが王宮で宰相補佐としての執務をこなしていると、王太子———新しく第二王子が立太子し、王太子となった———の補佐をしている文官が書類を持ってきたついでという風にアルベートににやにやしながらきいてきた。
アルベートはいつも平然と答える。「ああ、そうだが?」と。
しかし、それを答える前に文官はふうん、と呟きながらにこっと人の良さそうな笑みを浮かべて爆弾発言をした。
「しかし、フルーレイト伯爵令嬢でしたっけ?彼女、かなりの人気者でしたからね。元王太子は相当気に入っていたらしいですよ。
何しろ、彼女はかなりの美人で才気もある。それだけではなく性格もかなり良く、控えめで謙虚の気持ちを持っているし、微笑んで相手を立てることも忘れない。
優しいから、フルーレイトの妖精とか、フルーレイトの聖女とか呼ばれていたみたいですよ」
かなり饒舌にそう語ってから、文官は時計を見て「おっと、もう行かなきゃ!では失礼致します、フォーカイス辺境伯。また今度飲みにいかせてください!」と朗らかな笑顔を振りまいて出て行った。
アルベートは何一つ声を出すことなく、文官の後ろ姿を見送っていたが、がくっとうなだれた。
(待て。まさか、リアは僕の知らないところで有名な人だったのか・・・?今まで無遠慮な視線にさらされていたと・・・?しかし、僕としたことが、どうして思い至らなかった・・・!?
リアが美人で才気があって、性格も良くて、気質も穏やかで、品があって、洗練されているなんて、僕が一番知っているはずじゃないか!なぜ、今まで気づかなかったんだ!僕は!)
アルベートはがっくりと肩を落とし、これからナタリアを守るための手段を考え込みはじめたのだった。
読んでくださり、ありがとうございます!
意外に重めのアルベートくん。笑
いかがでしたか?感想などで教えてくださると嬉しいです!
次回は、お待たせしました、ナタリア視点になります!