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凡人の魔王の倒し方  作者: 昨日の駄文メーカー
凡人と騎士の国
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凡人と仕事2

タルトルと凡次が城内の厩舎に赴く


「凡次君、乗馬経験は?」


「ないですね」


「なら慣れるまで小臣の後ろに乗ってくれ」


「馬に乗るんですか?」


「あぁ、城外の森まで行くよ」


馬の部屋がずらっと並んだ通路を進むと、野原広がり緑茂る遊牧場へと足を出す


タルトルが指を口まで運び指笛を吹くと、この星を照らすガサルを模造したような空に浮かぶ球体がもぞもぞと形を変えながら寄ってくる


それはタルトルの前まで行くと、燃え盛る馬となって地上に降り立った


「紹介するよ、僕の愛馬」


焼照星馬(ガサル・ホース)のサン君だ」


その馬は毛並みが文字通り燃え盛り、体の内へと迫るほどに体毛が濃く紅く燃え上がっていて、橙色の瞳がこちらを爛々と見つめてくる


(馬とは…)


「乗っても燃えないから安心しなよ」

 

「理屈を聞いてもいいですか?」


「うーん……この馬には『照らす』性質と『燃やす』性質の2つがあって、この馬の気分次第で相手を照らすか燃やすか選択できるんだよ」


「それってこの馬が僕を燃やそうと思ったら…」


「この馬に乗ってる状態だと死ぬかな」


凡次がその場から逃走する


そしてタルトルに肩を掴まれる


「大丈夫、君もイレギュラーな形とはいえ十二の王剣なんだ、サン君もきっと君を照らしてくれるさ」


「デッドオアアライブで推量形使わないでください」


「まぁまぁ、そんな事言わないで一旦乗ろうよ」


サン君の鞍に凡次を乗せて、タルトルも乗り込む


タルトルがサン君の首元をソッと叩くと、厳かな嘶き声が響くと共に馬が空へ駆ける


「ほら、やっぱり燃えてないよ」


「燃えるかもしれない恐怖よりも、高さの方が…」


「高い所は苦手かい?」


「ちょっと鎧に失礼するかもしれません」


「本当にやめてね」


二人が話をしていると森へ着く


「今日の討伐目標数は20匹、種類は問わないよ!」


「分かりました。二人合わせてですか?」


「そうだよ、じゃあ行こうか!」


***


ザシュッ、と凡次がミクロス・ゴブリンの首を刎ねる


戦闘が一段落付き、凡次は首を刎ねたゴブリンへ黙祷を捧げる


「祈り?」


凡次が応するため黙祷を解く


「えぇ、意味の無いことだと分かっているんですが、やっぱりこの瞬間は何度やっても慣れないので」


「その心掛けは大事だよ、少なくとも殺しに慣れるなんていい事じゃないからね」


「えぇ、本当に……」


少し重い空気になりながらも、次の魔物を殺めるべく馬に乗り込む


空気を和ませようと凡次は質問を一つ投げかける


「タルトルさんの使う剣術って他とは違いますよね」


「あ、分かる?魔法と剣術を混ぜた魔剣法術っていってね、強い剣客とかはそれぞれ固有の魔剣法術を持ってるんだよ」


「小臣の魔剣法術は遍照星炎輪魔剣法術(天照の大尊)っていうもので、小臣の属異魔法と騎士の国の剣術を混ぜた物なんだ」


「なぜ天照が?」


「多分魔剣法術を編み出した先祖が異世界人だったんだと思う」


「実際僕の属異魔法も異世界を照らす太陽を模して編纂された魔法だしね」


「ファミレスといい、地球の事とか結構伝わってるんですね…」


「大体知ってるよ、何やら働き過ぎて死ぬ人がいるとか、馬を食べるとか……本当なの?」


「残念ながら事実です」


「そっちの世界の方が治安悪そうだね」


「割とタメ張ってると思いますけどね」


***


「大体終わりですかね…」


魔物の死体を袋に詰める


「後は冒険者ギルドに引き取ってもらおう」


2人は馬に乗り、冒険者ギルドへ向かう


「そういえば、タルトルさん」


「何だい?」


「昼間と比べて勢いが大分落ちてませんでしたか?」


「やっぱり鋭いね、まぁ理屈としては日が昇れば昇るほど身体能力と技の威力が上がるっていう僕の属異魔法の性質が日落ちして発揮しなくなったんだよ」


「正午だったら今の3倍強いんだけどね」


「3倍!?最強では?」


「まさか、正午でもアルフォンスと王には勝てないよ」


「…まじですか」


話しながら2人は冒険者ギルドで換金を終え、城へと戻った

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