騎士の国、入国
一人の少女がいた
星空のような青い髪に、曇りのない常緑の瞳が輝く、純朴を体現した少女だ
少女は王として産まれてしまった
少女は幼少から周りに強く孤高であれを求められた
故に、野原で燥ぐ童心は無くなり、代わりに秩序を守り民を守る、厳粛に濕る心が少女の体を浸すようになった
少女は齢15にして、男性という体で戴冠する
王は気高く、強く、孤高に在り、全ての民から畏敬の念を表される
だが王の心は閉ざされていた
***
凡次達は騎士の国の周りの台地に着地する
「辺り一面、平原ですね」
「えぇ、騎士の国近くのどこかに着地したわ」
「もう夜も遅いし、ここで野営しましょう」
プルエルが紫の空間から寝袋を3人分取り出し、野営の準備を始める
「てか、なんで夜に転移した?」
「騎士の国へは結界が立てられてて、近くに直接転移はできない、だから騎士の国に行くとき迷子になる可能性が高かったの」
「でも、夜になると馬術訓練が行われる風習があって、ここで火を立ててれば訓練中の騎士が気づいて案内してもらえるでしょ」
「いや、今の位置が分からないから方位磁石とかを使っても騎士の国に行けないのは分かるが、それなら普通に方位磁石使って次の目的地に行けばいいんじゃないか?」
「分かってないわね、騎士の国には絶対寄んないといけない理由があるのよ」
「…馬か!」
「そうよ、旅をするんだったら必須な生き物の馬は、絶対確保しておきたい」
「馬、馬ね」
なにやら源蔵が感慨に耽っている
「どうしたんですか源蔵さん」
「やぁ龍の国には馬がいないからな、久しぶりに会えるのが嬉しいんだ」
「馬、好きなんですね」
「あぁ大好きだ、馬刺し、桜鍋、しゃぶしゃぶ」
「食う方!?」
「言っとくけど食用じゃないから」
「あと、騎士の国で馬刺しとか絶対に言わないでね」
「分かってる、武士の誇りの象徴を食べ物で呼ぶなんて愚礼は犯さねぇよ」
「なら良いけど」
火を起こして暫く談笑をして過ごす、すると騎士の一人がやってきた
「ここで何をしている?」
「野営よ、それよりあなた騎士の国の人よね?」
「あぁ、お前等は龍の国からの迷子か、案内してやるからそれを片付けたら付いてこい」
騎士は慣れているのか、あっさりと騎士の国へ案内してくれるそうだ、凡次達はささっと片付け騎士に同行する
「入国する時、検閲が入るが犯罪歴のある奴は居るか?」
騎士はかなりストレートな質問を投げかけてくる
「源蔵は別ルートかしらね…」
「ねぇよ斬るぞ」
そんなこんなで騎士の国の検閲を無事に超え、入国を果たす
「付いたわよ、ここが人と馬との共存国」
「騎士の国、ディグウン!」




