凡人と修行6
「本当に良かったんですか源蔵さん」
凡次は申し訳なさそうに源蔵へ問いかける
「なにが?」
源蔵はさも分からないような態度で聞き返す
「いや…報酬のこと」
「殆ど源蔵さんとプルエルさんの成果なのに、僕が三割もらっちゃって」
事実、凡次はゴブリンを数匹倒しただけで、何十匹も倒した源蔵や、物の運搬と魔法によるサポートをしたプルエルと比べてかなり見劣りする
「お前も少し倒しただろ」
「本当に少しですけどね…」
「分配は確か俺3、エル4、凡次3か」
「やっぱエルがいると楽だな、バフに荷物運びに回復魔法,、どれもクエストには必須級だからな」
「えぇ、ところでなんでプルエルさんは道場の外に?」
「今からやる修行を見せたらうるさそうだからな、あいつ」
凡次は嫌な予感がして、立ち上がる
「帰っていいですか?」
道場の玄関へ退避する
「勿論駄目だ」
源蔵が扉へ向かって手裏剣を投げる
「うわ出た取って付けた忍者要素」
「取って付けてねぇよ」
凡次が渋々源蔵の前へ座る
「いいか、今からやる修行は実際に龍の国で行われてる伝統的な修行方法だ」
「名は骨砕き」
「帰りますね」
即答した
「次は頭狙うぞ」
「だって!骨砕きって修行でもなんでもなくないですか?」
不服そうで縋るようなその言葉に源蔵が待ったをかけた
「まぁ説明するから待て、骨砕きっていっても骨を粉々にしたりはしない、折れない程度に骨をひび割れさせて、自己再生して骨の強度を上げるのを繰り返す修行方法だ」
「いっそ粉々にしてくれ」
これから行われる惨劇を想像して凡次は酷く絶望する
「まぁそう思うぐらい痛いが、骨は全ての動きの基本中の基本、始まりとも言える」
「注意点だが骨砕きをした後の状態は一日2万歩以上歩くな、折れる」
「じゃあ行くぞ」
源蔵がトンカチを懐から出す
「いやあのすいません勘弁してください本当に待って助けt…」
ゴギッと鈍い音が道場に木霊した
悲鳴も木霊した
「どうしたの凡次!」
プルエルが扉を開けて入る
そこには気絶して倒れてる凡次と、トンカチを持って中座をかましている源蔵がいた
「…私は武術の素人だし、達人のあんたの教育方針に口を出すつもりはないわ」
「でも、流石にこれは…」
「そうだなぁ、気絶しすぎて修行にならんな」
「動けないから見取り稽古をさせようと思ったが」
「というか何したのよ」
「骨にひびを入れた」
「回復魔法はかけるな、魔法の再生だと骨が強くならない」
プルエルは色々難しい顔をした後ため息をついた
「はいはい、じゃあ凡次は連れて帰るから」
「あぁ、その前に一つ」
「毒耐性をつけたいから、食事には体調不良になる程度に毒を入れろ」
源蔵が毒瓶を渡す
プルエルは渡された毒瓶を叩き落とす
「無理よ」
プルエルは凡次を魔法で浮かせて転移した
「…流石にやり過ぎか」




