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魔王を倒さないと死ぬ凡人

ある日の社会人の帰路にて…


「帰りたい…」


「今帰ってんだろ」


同僚と雑談を交えながら革靴とコンクリートをコツコツ打ち付ける


「じゃあ俺ここだから」


「あぁ、じゃあな」


同僚の背中を後にし、そのまま帰路をとぼとぼ歩く


歩いて数分経った頃、視界には電灯に照らされた紺色の街ではなく、麗しい女性を中心に青空と雲が広がっていた


「?!?!?!?!」


「は?えっと、は?ここどこ?あなた誰?」


驚愕のあまり腰が抜けてしまうと、尻の感触に違和感を感じ足元を見ると地面が雲になっていることに気づく


「ここは天界で、私は女神です。田中凡次さんですね?」


「え?あ、はいそうですけども」


「あなたは、住んでいた世界に満足できていませんよね」


凡次が間をおいて口を開ける


「ちょっと待って」


目の前の女神を名乗る美人な不審者に静止をかけるように手をかざす


………


凡次が自分の頬を叩く


………


「すいません、今何が起こってるんですか?」


夢ではないと確認し、混乱しながら状況を訪ねる


「はい、混乱する気持ちは分かります」


「今、あなたに異世界召喚をされないかと提案しようとしています」


「元来、人に宿る魂には性質があり、それぞれが合った性質の世界に生まれさせるのが天界の役目なのですが、稀にあなたのように魂の性質と合っていない世界に送り込んでしまいうことがあるのです。そして、自分とあっていない世界に生まれた生物は、拭えない停滞感を抱いたまま死んでいってしまう、そんな悲しい事故を修正するのが私の役目」


「つまり?」


「あなたを本来の適性にあった世界に送ります」


(…?意味わかんねぇ?というか、この女神会話下手すぎだろ、いきなり意味わかんないとこで意味わかんないマシンガントーク展開されても意味わかんねぇよ、てかサラッと俺の22年間の人生悲しい事故扱いされたんだけど)


「では、異世界への召喚を始めますね」


女神が腕を振り上げようとする


「ちょ、待てや」


「何か問題でも?」

「問題しかねぇだろ」


「今の世界に退屈してるんですよね?」


「そんな中学生みたいなこと思ってませんよ」


「平凡な人生で満足なんですか?」


「平凡って…女神とかいう俺には想像もできないような存在のあなたには理解できないかもしれないけど、趣味を充分に満喫できてるし、仕事は最近慣れてきたし、彼女と結婚も考え始めてきて、俺の人生これからでいきなり異世界で生活とか」


「あぁ、前の人生の心配をされてるんでしたらご心配なく、あなたの世界ではあなたが元からいなかったように私たちが調整しておきますので」


(…あぁ駄目だこいつ、人間の価値観とか理解できないサイコパス女神だわ)


「…というかなにちゃっかり前の人生とか言ってんの?俺行かないからね異世界とか」


「行くいかないではなく行くのです」


そういいながら女神が腕を振り上げると凡次の足元に青色の魔方陣が現れる


「は?!おい!ちょっと!提案って言ってなかった?!これ強制でしょ!!」


凡次が魔方陣から出ようとするも透明の壁に阻まれる


「あ、言い忘れてましたが20年以内に魔王を討伐できなかったら死亡しますのでご注意を」


「ふざけんな!出s…」


凡次がいなくなり天界が静まり返ったとき、天界の青空の奥から一人の天使が出てくる


「すいません!今の人なんですけど、手違いでほかの人の書類と間違えてしっまったので戻しておいてくれませんか?」


「え?あ…どうりで…あの世界に行くにしては平凡すぎると思ったのよね」


「はい、なので」


女神が腕を組み少し考え込む


「…あの世界の魔王って2000年ぐらい討伐されてないわよね?」


「そうですね」


「知ってるでしょ、強大な魔力体である魔王が一つの世界にとどまりすぎると、その世界が魔王の魔力で満たされて、小動物らが魔王の魔力に侵されて死んでいき生態系が崩れること」


「知っていますが…その事がどうかしたのですか?」


「あの世界に行く人間の魂の性質は攻撃的だけど、今送り込んだ人間は普通の平凡な人間よ」


「そうですね」


「1958年も討伐されてない魔王ということはただ攻撃的なだけでは倒せないことは明らか、だから変わり種がいると思わない?」


「…なるほど?」


天使の頭にはてなが浮かぶ


「精々見せてもらいましょう、凡人の魔王の倒し方を」


「えっと…すいません、自動翻訳機能つけましたか?」

「あ」


凡次のところにて…


「霆「逕溯??°」


(何言ってんだこいつら?)



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