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第27話  一輪満ちて…一凛の。(陸連)

モルギ・パンタルアを震え上がらせた大陸公正ギルドとはいったい?


大陸の国々を網羅する形で存在する大陸公正ギルドは、大陸に存在する全ての国の法を超越した存在である。

公正ギルドの申請を受けた個人、組織、国、ありとあらゆるものはそれを拒絶することはできず、求められたものを差し出す義務があるのだ。

ギルドの構成や内情は”秘”されているが、歴史の積み重ねが作り出したこの公正ギルドによって救われた命が歴史の流れの中に存在しているのは確かな真実だ。




「そうでございますね。確かに商団の文書偽造くらいでは…ですわね。

ああ、一つ言っておきますが、ディラリア嬢の筆跡鑑定行ったのは皇室御用達ともいえる帝国一の鑑定士ですわ。」

王女はそう言うと、合図を送るかのように視線を動かした。


「では、殿下。帳簿とは別に陳述の書類を添付しておりますが、この内容をこの会場の皆様にもご覧いただいてもよろしくて?」


皇太子は俯いたまま、了承の印に彼女に手を振って応えた。

俯いたままの彼は泣いているのか?いや、まるで笑いを嚙み殺しているかのようにも見えるが、その表情は沈黙の仮面に隠されたまま、王女の独壇は続く。


「文書では皆様の貴重な時間を無駄に費やしてしまうかと、こちらを準備致しましたの。」


そう言ってまたにっこりと微笑んだ王女が優雅に手を上に美しい指で皆の視線を誘う。



と、会場が薄暗くなり、玉座の御前のその人々の頭上に大きな球体が浮かび上がる。

それは様々な角度からの視点を網羅して、人々の目にはそこに一人の人物が浮かび上がって映りだす。


その球体の中の人物が話し出す前に、モルギが叫ぶ。


「王女さま、あんまりでございます。これもまた不法な盗撮なのでしょう?

こんな卑怯な方法では帝国法が地に落ちたも同然です。どうかすぐにお取り下げを、」


王女はモルギの目を凝視しながら怖いくらいの微笑みを向けて言葉を放った。


「ああ、ご安心なさって。これは違法なものではございませんのよ。この中の映像もね。

実はわたくしの侍女は皆、自衛のために魔石のペンダントを身に着けているの。

昨今の物騒な世の中では女性も自分で身を守らなければね。

そしてそれには様々な機能があってね、主には防御、そして悪漢から逃げる為の瞬間の攻撃力が備え付けてあるのだけれど。

そこにね、録画機能もおまけで付けてみましたの。

もちろん帝国皇室御用達のギルドで製作していただきましたし、お試し段階ではあるけれど、一部の帝国警護隊も街のパトロールでこれを使用しているほどなの。

そしてね、録画映像は悪用されないように、帝国法務院が管理しているのです。

だから申請許可を取って正式に認めれた証拠としてね、私は今これを皆さんにお見せできているということなの。ふふふ。モルギ殿。お分かりいただけて?」


モルギは言葉を失い、球体の中のスクリーンの中の人物は話し始める。


「あ、ちなみに、ディラリア嬢。ここに映っているこの男性をご存じかしら?」


「はい、王女さま。ここにいるモルギ殿と共に私の元を訪れ、モルギ殿が婚姻を提案したコーリャ家の子息ミレル氏です。」


「そうなのですね。ではモルギ殿。あなたがディラリア嬢に引き合わせたこの男性はどなたですの?」


王女の問いにモルギの口は重い。彼はやっと一言だけ口にする。

「ミレルです。」


「どちらのですの?」と更に問いかける王女にモルギの答えは返らず、王女は口を開いた。


「おかしいですわね。コーリャ家には先代にご子息がお一人のみで現当主となったその方にはご息女がお一人のみ。既にモルギ殿のご嫡男に嫁いでいて。

他に養子をとった形跡もございませんしね。これはいったいどういうことなのかしら」


王女の言葉に被さるようにスクリーンの男性が機嫌の良い表情で話し始めた。






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