第3話 学生時代②
私は、映画を見て、ショパンを聞いてという生活を繰り返す中で、映画を作りたいという欲望が出てきた。何か表現しなければならないことがある気がするのです。それは、遠い昔の記憶の隅にあるから、それを掘り起こさないといけないから、とてもつらい作業になりそうなのです。だけれど、私は挑戦したい。映画が好きだから、そして、映画文化の衰退を招いてはならないという、高慢な勝手な思い込みが影響しているのだろう。
私は、スマホで映画を作る方法を調べた。そうすると、スマホで撮れると書いてあったので、とりあえず、映画撮影用のアプリを落としてみたり、編集や音響のアプリを落としてみた。
そして、少しだけ撮ってみたところ、このアプリを使ってやりたいことがとても出てきた。演出の話から、映画の根幹まで、発想が無数に出てきた。しかし、ここまでは皆が体験していることだろう。だから、私は、やりたいことをノートにまとめてみたのだ。
ノートにまとめたのちに、ある程度スマホの撮影で再現してみることにした。
ピッ・・・・・・
パシャッ・・・・・・
ある程度撮ってみると、次は編集をして、つなげてみることで映画風にしてみようと思った。
編集をしていたら、ものすごくパソコンが欲しくなったが、致し方ない。スマホの小さな画面でなんとか試してみた。するとやはり自分のイメージをとは異なったものができてしまった。
そんなこんなしていると、母が帰ってきてしまったので、いったん中断だ。母に映画を見たりしていることを言っておらず、私は部活に行っていると思っているので、隠さなければならない。
それも、母はいわゆる「オタク」が嫌いらしい。家にこもって陰湿な感じでいじいじしているのが嫌いらしいので、建前では部活に入っていることになっている。なので、いつも家に帰ると部屋着に着替えず、ジャージに着替えるのである。そして、母が帰ってきたときに部屋着に着替える。こんなしようのない生活を送っていることに、少し嫌気がさすが、映画を裏切ることはできないから、卒業までこの体制で行こうと思っている。