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序
私は夢の中にいる。夢の中の、自分を象徴する存在の証明の源泉を目の前にして、立ち尽くしているところである。想像とは少し違う、自身の正体を示すような、もしくは示さないような極めて不安定な世界ともいえよう。
私は映画を作っている人間である。常に、ばかげた映画を作らないよう心掛けているが、それが難しい。自分の狂気に従った映画を作りたいと常に思っているが、素直に作ることができない。いわゆる映画人の成り損ないとでもいうべきか。
私はなぜ今夢の中にいるのか。それは定かではない。ああ、何か心地よい素晴らしい気分を感じる。立ち尽くしているのに、自分の本質がわかったような気がして興奮するような、安心するような、不安になるような、、、