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第8話 『ダークソヲル』

 ダークソヲル、言わずも知れた有名な死にゲー。死にゲーとは、極端に難易度が高くミスに対するリカバリー手段が無いに等しいなどの理由でゲームプレイ中に何度も死ぬ事を前提としたバランスのゲームのことである。




 敵に倒されて死んで覚えるゲーム。鬼畜な難易度で主人公にモンスターが襲う世界。その鬼畜さに数々のプレイヤーを絶望に追いやった。しかし、その分クリアした時の達成感は計り知れない。




 今日はふゆ姉の部屋でゲームをしている。学校が終わりはる姉はバイトをしていて家にはいない。




 ゲーム画面は、自分の操作しているキャラが敵を倒していく。





 僕は姉たちを宝物のように思っている。大事な人だ。姉たちがいなければ今の僕は無いだろう‥‥‥。




「うわああああ」




「あっ!あっくんのキャラクターが宝箱に扮した化け物に喰われた」




 ゲーム内ではなんの変哲もない宝箱だ。しかし、開けた瞬間、宝物型のモンスターになり有無も言わさず僕のキャラクター喰われて殺されてしまう。




 YOU DEAD




 初見殺しにもほどがあるでしょう‥‥‥。




「このゲーム鬼畜すぎない?」




「宝箱を見たら、開ける前に攻撃しなきゃ」




「先に言ってよ」




「つい、あっくんの反応が見たくて」




 ふゆ姉は、ぼくの反応を見て楽しんでいるな。




 あと、この宝箱うちの姉たちみたいな性格しているな。見た目は普通だけど中身は‥‥‥。あと、取って食べようとするところとか。




「あっくん。いま、私のことを馬鹿にしてない?」




「はは。っさ!次に切り替えて行こう」




 ゲームを進めていくうちに敵の行動パターンを掴んでいきハマり出す。そうして熱中しているなか。




「ああ。あっくんはなんでこんなにも女性みたいに肌が白くて、首元や手や足の毛が薄いのかしら‥‥‥」




 そう言って、ふゆ姉は僕の頭の髪の毛に鼻を近づけて嗅ぐ。気にせずゲームを続ける。




 そうすると突然、ぼくの首元をふゆ姉の舌で舐められる。ふゆ姉の舌の感触が皮膚を通してダイレクトに伝わる。




「ひゃい」




 そうして、操作が狂い僕のキャラクターは深い谷底に落ちていった。




 YOU DEAD




「あっくん、私のこともすこし見て?」




 はる姉がいないといつもより過剰にベタつく。やりたい放題だな。




「ただいまー」




 一階から元気な声が聞こえた。バイト終わりのはる姉が家に帰ってきた。助け舟のようにも感じた、キャラクターが死んでいいところなので。


 


「一旦、風呂入ってくるね。ふゆ姉」




 そう言って、いつもよりスキンシップが多いふゆ姉の部屋から出ようとする。




「待って」




 僕は出ようとする部屋の前に止まる。振り返ると、突然ふゆ姉と唇と唇が重なり合う。




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