第29話 文化祭後編
「「え?」」
僕と二宮さんは同じ反応をする。
金髪の彼女は腕を組み、その生まれ持った金髪をしならせて仁王立ちしている。
彼女は目を細めて僕のことを凝視する。細めてるせいか、目つきは良いとは思えない。
「あんたがあきの彼女?」
「はい!」
二宮さんの質問を彼女は高らかに良い返事をする。ダーリンの英語の発音良いし、返事の日本語も普通に良い。鼻が高く造形も深くれっきとした外人だった。
「そもそも違うから!」
「あ〜きくん?」
「あきくんって言うのですね、じゃあ私はあーくんと呼びますね」
どこかの副生徒会長同じ呼び方だが、それよりも二宮さんが怖かった。
「あきくんちょっと座って?」
「え?もう、ベンチに座っているけど……」
彼女は地面に指を刺して、
「正座」
「はい……」
僕は彼女の顔は笑っているのに内心は怒っているのが怖くて目の前にベンチがあるから地面に正座をさせられた。
状況がわからず、金髪の彼女も困惑している。
「あなたも!」
「これがセイザですね?意味もないのに座らされて最終的には足が痺れる!」
彼女のセンスは狂っているらしい、喜んで彼女は僕の隣で正座をする。
「そもそもこの子はだれ?彼女じゃないなら」
「僕も知らない……」
ストーカーは伏せといた、物盗み系の変態とストーカーがいるとなにが起こるかわからない。
「じゃあ、金髪のあなたに聞きますが彼女じゃないならなんなんですか?」
「いえ、私たちは前世で結婚をして繋がっている思想相愛です!」
あ〜痛い子だ。高校一年生の僕からすると彼女は厨二病が抜けてない可能性がある。僕たちより身長が高いだけで中身は普通に中学生かもしれない……。
「あきくん?」
そんな彼女に憐みと困惑の顔で僕を見ないでよ。僕も知らないから。
「あきくんも私と驚いてたし信じてあげる。じゃあ行こっか?」
触らぬ神に祟りなし。二宮さんは面倒ごとを避ける気だ。
「日本のアニメのキャラクターから学びました! 私日本のHENTAI文化をもっと学びたいです。あーくん!案内してください!」
「変態文化は学ぶな!あと、あーくん呼びも辞めて!」
「本当にこの子何なのよ……」
「さくらさん。一緒に行くのはダメかな?」
二宮さんは関わりたくないらしいが彼女を放っておくと色んな意味で危険なので、僕は渋々彼女の言うことを聞いて案内する。必死に二宮さんにも頼み込む。
「あとで補填するから!」
彼女は指で髪をいじりながら、顔を斜めにして正面を向いてくれない。
「それなら……いいよ」