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第18話 アルバイトの許可

 体育祭も終わり梅雨という梅雨が降らず、カラッとした気温で時は経過して夏休みに入る。




 夏休み初日――




「バイトさせてください!」




「だめ!」




 はる姉は僕の言葉を有無も言わさず拒否する。




 ふゆ姉に聞いたら、社会勉強としてバイトを許してくれるようになった。しかし、はる姉は過保護で許してくれない。




「欲しいものがあったら買ってあげるから」




 今回は秘策がある。




「はる姉の誕生日に自分のお金でなにも買ってあげられなかったのが‥‥‥嫌なんだ」




 四月が誕生日のはる姉は、僕は料理で祝った。しかし、料理が好きなはる姉の半ば無理やり手伝ってくる。


 そのため、祝っている気分にはなりにくかった。




「あっくん‥‥‥」




 その話を聞きなにかを思うはる姉。




「だから、バイトさせて!」




「その気持ちだけでも十分だよ。それにあーくんがいるだけで満足だよ」




 やはりダメ人間になる。いや、他人のお金で生活していくヒモも悪く無いのか?




 頭を振り邪念を遮る。




「でも知ってる?あーくん。バイトする前には、学校にバイトの申請書出さないといけないのよ?それが、出してないなら許されないよ」




「じゃあ、出したら許してくれる?」




「いいわよ。けど学校は夏休みで、先生は誰一人いないわよ」




 いないことは無いと思うけど‥‥‥言葉にはしないが。僕は満面の笑みで言う。




「もう出したから、いいよね?」




 そう言い、スマホで証拠写真を出してはる姉に見せる。そこに同意書の欄には父親の名前までしっかりある。




「ちょっと、お父さんと話してくる」




 そういって、はる姉は久しぶりの休暇でゆっくりしているお義理さんのところに行った。




 南無三。




「まてまてまて!」父親の威厳ない声だった。




「待たない」




 はる姉は部活で鍛え上げられた上腕二頭筋の先にある拳を握る。




「なら、はるのバイト先であきを働かせればいいだろ!」




 はる姉は寸前で手を止める。




「その手があったわ」







 そういうことで――




「まずは、皿洗いから」




「はい」




 家からそこまで遠くなく、駅近くのサイゼリヤを始めた。アルバイト初日の僕は厨房になった。ちなみに、はる姉はウェイターだ。




 わからない事ばかりなので、最初は見て、教わり、実践する。先輩が言うことをメモ帳に書き写す。食べ終わった食器をスポンジ付きの洗剤で洗い、洗浄機に入れ、拭いた食器を厨房に運ぶ。覚えることは多かった。




 バイト自体が最初なので、全てが新鮮だった。怖いことはお皿を落として割ってしまわないかが心配だ。













 サイゼリヤ店長――32歳、男。




 内心、アルバイトの子は最初ウェイターから始まるのだが、彼の姉のはるさんが「あきは厨房でお願いします」っと言われた。




 そうしないと、ウェイターを辞めるとまで言われた。




 彼女がアルバイトで店に出ると妙に男の客が増える。そのため彼女がやめると店の利益が下がってしまう。


 しかし、弟くんのあきくんも素晴らしい容姿をしているのだから、女性客を呼び込むために本当はウェイターをやって欲しかった‥‥‥。




 そんな店長の苦悩は続く――

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