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第13話 胃薬

 ゴールデンウィークという名の長期的な休みが終わり、学校に行く足取りが重い。しかし、髪をセットするという目的のために早起きをする。




 二宮さんに教わったやり方でセットをする。髪を一旦濡らしてから、ドライヤーで乾かし全体を上げて、そこから整髪料を付けて形を整える。


 最後に崩れないためのスプレーを全体に振りかけたら終わりだ。




 こんな、めんどくさいことをやるのか‥‥‥。鏡に写る自分は、セット前と後では確かに違う。少し髪について興味が持てた。




 お義母さんの作った朝食を食べていると。




「眠い、学校だるい‥‥‥行きたくない」




 ふゆ姉が子どものように駄々をこねる。




「ふゆ!そんなこと言ってないでさっさと行くよ」




 そんなふゆ姉にはる姉は言う。ふゆ姉の目の下にはクマができ徹夜をしている。たぶん理由はゲームだろう。




「あっくん、今日は一緒に休もう?」




 ふゆ姉の悪魔の囁きがくる。これを聞いて叶えていたらダメ人間になる。


 


「こら!それにしても、あーくん髪型どうしたの?かっこいいね」




「そうかな。ありがと。行ってきまーす」




 二宮さんに会ったことをバレるとまずい。飯を食べ終わり、すぐに家を出る。




「あ!あーくん、一緒に行こ!こら、ふゆ起きなさい!」




 ゴールデンウィークの最中は、はる姉はバイトや部活の助っ人をしていた。その部活でレギュラーの座を奪うほど活躍しているが部活の人はそれでいいのか?


 ふゆ姉は、一応はバイトをするがほぼほぼゲームで大半の時間を潰していた。


 親たちは旅行を楽しむ。そんなゴールデンウィークが終わる。





 学校では――





「あきもとうとうスマホデビューか」




「LINE交換しようぜ!」




「おまえも一つ大人の階段登れたな」




 現代の高校生のスマホの普及率は半端なくほぼ全員が所持していた。




 クラスLINEなるものに招待される。クラスの全員がそこに連ねる。


 名前には、数学の公式、英語を使うやつ、ニックネームで分からす気がない名前などたくさんある。


 これが普通なのか‥‥‥。自己紹介文には、恋煩いの文や、初めましての紹介文や、英語でカッコつけているような文まである。 




 恋煩いって早くない?ゴールデンウィーク終わって、今は5月だよ。




 これ、後々黒歴史にならないのかな。そんな不安すらも覚える。




「あーき!」




「なんですか?図書委員先輩。てか、あのあと本の片付け本当に大変だったですからね!」




 この人は三年の図書委員会、委員長の名前はまだないっではなくて知らない。本の片付けを押し付けて帰るような人だ。


 あれ、名前知らないって結構やばい?




「悪かったね。あ、体育祭のポスターの件は進んでいるかい?」




「一応‥‥‥」




 二宮さんが、絵を描いてくれることになったことを経過報告をする。中央委員会の活動報告書も副委員長の僕がやっているし、あれ、この人何もしてなくない?




「いや〜。三年生は受験が大変でね〜」





 そういって悪びれずに笑う。ダメだ、この人早くなんとかしないと。




「じゃあ、なんで委員会入ったんですか?」




「う〜ん、実績稼ぎ?委員会は楽できるとこ選んだ」




 やっぱり、この人どうにかしないと。あれ、胃がキリキリしてきた。




 人狼ゲームで最後三人になり確定白の村人を自分が貰い、二分の一の狼を当てる胃痛役みたいだ。外したら負け。当てたら勝ち。責任重大な仕事。




 あれ、なに考えているんだ?それぐらい情緒不安定である。




「頑張っているし、このお姉さんの私が何か欲しい物あったら奢ってやるよ」




 お姉さんみたいな立ち位置は、もう間に合ってます。そんな先輩に満面の笑顔で皮肉を込めて。




「なら、胃薬ください」

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