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ヤンデレとメンヘラの姉に愛されている  作者: てきとう
第三章 ゴールデンウィーク
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第11話 電話後編

「あーくん、はい。あーん」




 はる姉はそう言って、賞味期限がまじかに迫った桜餅を食べさせてくれる。




「美味しい?」




「美味しい」




 桜餅、桜、桜、さくら――あ。思い出したが、二宮さんに折り返しの電話をしてない。




 しかし、家の電話には電話番号の記録が残ってない。そのため、折り返しの電話を掛けられない。もしかして、ふゆ姉は狙ってやっている?




 そんなことを考えていると、ふゆ姉からLINEが届く。




 【これ、削除前の女の子の電話番号だから写真を撮っといた】




 そう言って、ふゆ姉は電話番号の写真を送付してくる。意外だった。




 【掛けていいの?】




 【当たり前じゃない、私はそんなに意地悪じゃないから。あと、はるお姉ちゃんにバレないようにね】




 普通にありがたかった。




 そのあと、二宮さんとスマホの電話越しで委員会のことを話した。




 それで、委員会の仕事や、体育祭のポスターの絵の作成を二宮さんが担当してくれることになった。




 そもそも、図書委員会に所属している人に絵を書かせなくてもいいのだが。仕事として図書委員が絵を書いてくれる人を学校で探すっという話だ。




 そんな話をしていると、二宮さんが立候補してくれた。




 《 「ごめんね、急に絵の話がこんなことになって」 》




 《「い、いいのよ。私、絵は得意だし。小学校では、美術4だったから」 》




 それは、得意と言えるのか?わざわざ小学校まで遡るとは。




 《 「話変わるけど、あきくんって髪の毛に興味ある?」 》




 ん?話の意図がわからない。髪フェチかどうか聞かれているのか?女子高生は電話で相手の好みを聞くのが流行っているのか?答えるべきかどうか。しばらく考え込む。


 答えを出さず沈黙している。クラピカも言っていた。




 《 「ごめんね、急にこんな話。実は私の家、美容室なんだ」 》




 《 「そ、そうだよね。なにを言えば分からなくなっていて」 》





 あっぶなー。クラピカの言う通り、沈黙が正解だった。これで、何か言っていたら髪フェチかどうか暴露していた。




 《 「よかったらでいいんだけど、ゴールデンウィークは私の家で髪の毛切らない? もちろん、お金は‥‥‥半額でいいよ》




 お金のところ少し間があった。




 《 「本当!美容室行ったことないから行ってみたい」 》





 自分自身あまり、髪の毛に興味が持てなかったけど。二宮さんの勧めなら行ってみようかな。




 《 「あきくんとLINEを交換できてよかったよ。これからも話そうね》




 電話越しに伝えられる。




 《 「うん、楽しみにしているよ」》




 その後、二宮さんとは他愛のない話をして電話は終わった。

















 私、夏樹ふゆは義理の弟の夏樹あきに恋をしている。はるお姉ちゃんみたいに、あっくんの対人関係を雁字搦がんじがらめに規制する気はない。




 別に嫉妬しないわけではないが、女の子を含む色んな人と関わりを持ち経験して人として成長していくあっくんが好きなのだ。




 まるで、恋愛育成ゲームを現実でもやっているみたいに。




 最後に私のところに来れば良いだけの話だ。




 なんか、負けヒロインみたいな会話をしているな。


 


 私、負けないから。

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