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ヤンデレとメンヘラの姉に愛されている  作者: てきとう
第三章 ゴールデンウィーク
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第10話 電話前編

私ーー二宮さくらは大きく深呼吸する。肺を全部空にするくらい、息を吐き出し、そして大きく吸い込む。




 彼が発言した言葉ーー図書委員会の終わり一緒に帰って電話番号を渡された時に。




「うん。あとかける時は休みの日とかだと嬉しいな。僕が家にいる確率高いから」




 私は彼に図書委員の内容を伝える過程で話すきっかけを作る。




 ゴールデンウィークの初日、彼の家の電話番号にかけた。




 プルルル。




 中々掛からないな。あきくん、家にいないのかな。まあ、その方が機械に言うだけで緊張せずに済むからいいけど。




 そして、前回の最後に戻るーー。




 《ピーーの後に、留守番電話をお願いします》




 《ピーーーー》




 《 「私は、夏樹あきくんの同学年の二宮さくらです。夏樹くんに図書委員会について、話したいことがあるので折り返しの電話をお願いします」 》




 ガチャッ




 ふーー言い切った。彼に電話が繋がらなかったことは残念でもあるが、(さいわい)にも気持ち的に余裕ができた。




 緊張するけど、彼からの電話の折り返しが来るまでこの緊張は収まらないだろう。掛け直してくれるかな?いや、きっとしてくれる。彼は優しいから。




 緊張と不安の中オロオロしている。しかし、どこかで彼からの電話を楽しみな私がいる。









「ただいまー!」




 僕はスマホと共に家に帰る。すると、ふゆ姉が




「あっくん?私の部屋に来てねー」




「いいけど、今はあまりゲームやりたくないよ」




 数日前に、鬼畜ゲームをやらされて、その後には、ふゆ姉とはハプニング(キス)があったからあまり乗り気ではない。




「いいから」




 そう言って、ゲームが沢山あるふゆ姉の部屋に向かう。はる姉は夕御飯の支度をするらしい。





「びっくりしたよ。昼飯を探しに一階にある冷蔵庫の中を探してたら、家の留守番電話にこんなメッセージがあるんだもん」




 それは、ふゆ姉のスマホから二宮さんからの留守番電話だった。




 やばい。下の階の電話には、まだ残っているかもしれないから削除しなきゃ。




「消しといたよ。はるお姉ちゃんにバレたら怖いもんねー」




 ふゆ姉は僕の心を察してくれる。




「ありがとう、それじゃ‥‥‥」




 立ち去ろうとする僕に、ふゆ姉がこれ見よがしに三文芝居をする。




「あー。私の手が滑ってはるお姉ちゃんに保存した音声動画LINEで送っちゃうかもなー」





「ごめんなさい。なんでもするから送らないでください」





 ふゆ姉の目が輝く「なんでも‥‥‥」彼女はとてつもなく邪悪な顔をする。言ってはいけないことを言ってしまった。




「前の続き、しよっか?」




 前の続きーーゲームではないよな。キスだろう‥‥‥ふゆ姉の指示に従い僕たちは二度目のキスをする。




 今回は、舌同士が当たり唾液が混ざり合うディープキスだ。




 やばい、気持ちいい。止められなくなる。




 一旦、キスをやめて酸素を吸い込む。




「っぷは。あっくん、激しすぎ」




 そう、ふゆ姉は笑う。そして、ふゆ姉はベットに仰向けに倒れて「きて」言われる。




 その流れのまま、ベットに入りキスをしかけたその時ーー。




 ふゆ姉の部屋の扉が突然、開く。




「あーくん、晩御飯だよー? ‥‥‥はああああああ。何しているのよ?」




「営み中‥‥‥。てか、毎回、毎回なんで、邪魔するの?」




 正気に戻る。その後、はる姉に手を引かれて部屋を出て一階の洗面所に連れていかれる。




「あーくん、うがいしよっか?」




「はい‥‥‥」




 うがいが終わると、はる姉による粘着質なディープキスが始まった。ほのかに、はる姉は甘めの匂いと味がする。




「ちょっ‥‥‥」




「ずるい‥‥‥」そんな、ふゆ姉の言葉が聞こえた。




「‥‥はぁ、っん。うる‥‥ちゃい」




 満足した、はる姉の行為が終わり。





 その後、晩御飯では母親が店で買ってきたレトルト食品の味は、先程の甘い味がした。だから、はる姉は料理の支度をせずに早く部屋に来たのか。





 そうして、夏樹あきの頭から二宮さくらのことは消えていた。

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