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休む暇無し!

もしかしたら今後投稿時間は夜になるかもしれませぬ……。

一度ミヤプロに帰り、内容の整理を行なった。


今回ばかりは情報の鮮度が大事であるから社長も交えての情報整理だ。


・犯人だと思われる人物は女性の声。

・声色は艶やかに感じる。

・氷の双剣使い、但し本気ではない(個人的な意見)

・戦闘力は高い。

・相手を即座に殺すのではなく、傷付けて楽しむタイプ(個人的な意見)

・目的は達成済み。男性の生死は問題ではないようで、個人的な趣味の可能性。


また、男性の特徴と焔場炎真君が関係している事を共有すると、社長や井口さんに赤﨑さんの話を合わせ、その男性が赤﨑さんと同じ学校の生徒、聖ノ宮ひじりのみやあまつという名前である事が分かった。


だが赤﨑さんは彼が光の剣を使っていた事に驚いていた。


社長曰く、聖ノ宮家は光属性を持つ家系で興ってからまだ浅く、だがもう第三世代まで来ているらしい。彼はその第三世代であり、聖ノ宮家としては余り強い力を持っていないらしい。


社長曰く、属性の剣を展開、維持出来る者はそれなりに属性の力が高い者でなければならないらしく、噂とは異なるようだ。


属性を持つ家系としては寧ろ力を誇示して権力者を集めたり、家をより有名にしたりするべきだとは思うが……何か考えがあるのだろう。


赤﨑さんに聞くと、学校での彼は品行方正、成績優秀、更に剣の腕前を高いらしく、その見た目の麗しさも相まって学校での人気不動の一位との事。


まぁ、あの見た目でダメな点がないとなるとそれは人気にもなろうって話だ。


戦闘力も炎真君を軽く凌ぐ程で、マジでパーフェクトイケメンのようだ。


ムカつくわぁ。


ただ赤﨑さんが耳にした噂によると、彼女らしい彼女の影は一切チラついていないらしい。それがまた女性人気に拍車を掛けているようだ。


いつか刺されないかな……と思ったのだが今回の犯人相手に擦り傷で済ませているのだから包丁程度なんでも無いんだろうと自己解決した。


「目的は完了した……台詞から考えるに、もう殺す必要はない、と言えなくも無いわね」


井口さんがグノーシスを弄りながら指で頬をリズム良く叩いていた。


社長は他に仕事もあるらしく、俺たちは一度事務所の部屋に集まり、話を再開していた。


問題は犯人についてだ。


戦ったから分かるのだが、犯人は目的のために人を殺し、目的もなく天君を傷付けて遊んでいた。


だが彼らを襲う事に理由があった筈だ。


「……焔場、聖ノ宮を襲う事で氷室家が表に出ざるを得ない状況を作る、とかかしら」


井口さんが呟いた。


俺は井口さんの発言を視野に入れて考える。


焔場、聖ノ宮を襲い、それが発覚すればどちらの家にとっても大問題だ。そして犯人が氷属性使いともなれば……氷室家に注目が集まるのは必然。


その上、前に考えたように氷室六花さんの転校に合わせるかのような殺人事件だ。幾ら氷室家が否定しても世間がどんどん噂を広めていく。それがネット、SNSの怖さだ。


井口さんに聞いて調べてもらったのだが、氷属性であり、氷の双剣を使える程の使い手で女性、というのは検索に引っ掛からなかった。となればあるとすれば氷室家なのではないか?検索結果が噂を肯定している。


もし、犯人が氷室家の関係者であるなら、氷室家は裏でそれを処理しなくてはならない。万が一それが焔場と聖ノ宮にバレて仕舞えば問題は更にデカくなる。


氷室六花さんが学校にいないのは、もしかして裏で犯人を追っているからでは、と考えた。


そして犯人は目的は完了したと言っていた……だとすれば。


「……態と氷室家にしか分からないような殺し方をする事で氷室家に探させる……氷室家の人間を殺す事が目的か?」


周りがハッと息を呑んだ。


「赤﨑さん、氷室六花さんの声って、どんな感じ?艶やかな感じ?」


「んー……あんまり聞いた事ないから分からないけど、艶やかというよりは凛とした感じかな。それでいて女性的で……神秘的な風?」


「……犯人の声も大分若そうだった。もしかして、犯人は氷室家、それもターゲットは六花さんを呼び寄せる事か?」


俺は立ち上がる。


「悪い、コクウ。またカラスの皆で周囲を飛んで見て欲しい。対象は黒いローブや氷室六花さんだ」


『カァ!』


「では拙僧は再び伝令役を任されよう」


「頼む。赤﨑さんは学校でまた聞ければ聞いて欲しい。居場所が分かるとは思えないけど……」


「うん、分かった!」


「私はまた社長に言ってみるわ。仕事中だろうけど……多分掛け合ってくれるはず」


俺は頷き、また事務所から出て外を探しにいくのだった。








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