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アンダーグラウンド掃討作戦(三百二十九)

「待てコラっ!」

 突然『聞き覚えのある声』で、かつ『生意気な言い草』が耳に届く。だから二人は『検証あそび』を止めて睨み付ける。

 するとそこには、見るも無残な『大佐の後ろ姿』が。


 だって『今起き上がった所』だろうか。今まで何をしていた?

 呑気に床で転げ回った挙句『寝技の応酬』でも、していたのだろうか。その挙句に『一人も倒せず逃げられた』だぁ?


 いや、最初の一人は『一応倒した』のか。仰向けに寝転んでいる。

 だとしても残る二人は、見た所『無傷で取り逃がした』に等しい。

 あぁ、もう『現場』を押さえてしまったのだ。言訳は要らない。

 だったらもう『情けない』と思わない方がおかしいし、どんな厳罰であったとしても、甘んじて受けるべきだ。何だったら自ら。

 大佐なら当然のこと。それ位『出来て当たり前』だ。


 右足は膝を床に。左足は曲げて前に出している。

 まだ立ち上がってもいないではないか。それで左手を真っ直ぐに伸ばして『待て』とは。ほう? それは一体『何を表す』のか?


 あえて聞こう。それが『大佐の号令』なのかと。

 もう一度聞く。それが『大佐の厳命』なのかと。

 今日は『七日』なのかと。それは知っている。十五日だ。


 百二十八歩譲ってだ。百歩よりちょっと多めに譲ってだぞ?

 仮にもそれが、栄えある『大日本帝国陸軍』の士官たる『大佐』が、だ。設立以来、(認めた)負け戦無し。連戦連勝だ。

 その伝統と格式に裏打ちされた権威ある正装に身を包み、立派な装飾の付いた帽子を床に転がしたままに。

 金のボタンだって取れちゃっている。その『大佐』が、だ。


 鋭く『待て!』と命令した上に『コラっ!』の怒号も添えて。

 うむ。『声』だけは褒めておこう。十点満点だ。百点満点で。


 どう聞いたって今のは『コラボレーション』の略、じゃない方の『コラ』。後は何だ。あぁそうか。思い出した。

 ましてや『コラージュ』の略でもない。気持ちは伝わった。

 しかしそれで『はぁい』と、相手が『待っていてくれる』と、思っているとしたら、なんて『おめでたい奴』なのだろうか。


 おいおい。今のは冗談じゃないよな?

 聞いたこちらが、思わず呆れてしまうではないか。

 大佐の威厳とは『その程度のもの』と、『勘違いされる心配』はしていないのだろうか。

 大佐ならその程度のこと、考えなくても判らなければならない。


 今は『立派な一般人』となってしまった二人には、そう思えてならなかった。後はこれが『何の罪』に押し付け、いやこじ付けるか。


 直ぐに判決が下る。『逆に心配を掛けた罪』だ。

 当然それは『死』を持って償わなければならない。


 だから本部長ペンギンは『ヒュッ』と腕を振る。『ヌンチャク』を投げていた。それは一直線に飛んで行き、見事後頭部に直撃。

 高田部長イーグルも『ハンドスピナー』を投げていた。『翼が刃』となっている特別製だ。それが首筋に向かって弧を描く。

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