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アンダーグラウンド掃討作戦(三百二十五)

 レッド・ゼロの一同は警戒していた。訳が判らなくて。

 突然現れた奴らは『銃を構ている一団』が、目に入っていないのだろうか。何だか遊んでいるようにも見える。

 肝心の士官が空中でバタバタしている? よなぁ? 何だぁ?

 どうもNJS本社ビルでは『変なこと』が多過ぎて困る。

 だとしたら姿からして、遂に『幽霊』でも出たのだろうか。

 いや、きっと『本当に狙っている』という意思表示が、向こうからは見て取れないのだろう。一人が首を傾げて狙いを定める。


 すると、やっと士官が着地。今度は歩き始めた。楽しくトイレにでも行くのかの如く後ろと談笑しながら。

 もう我慢できない。いや、トイレではなくて。


「止まれっ!」「動くなっ!」「撃つぞっ!」「本気だぞっ!」

 同時に叫んだものだから、言った方も聞いた方も訳判らん。

 それでも『こちらの存在』には気が付いたようだ。ピタッと立ち止まっている。


「ちょっと、俺が言うって」「何でだよ。俺が言うよ」

「頼むよ。こういうの、一度やってみたかったんだ」

「馬鹿。遊びじゃねぇんだ」「判ってるよ」「何を判ってるんだよ」

 レッドゼロの先頭を行く奴らが揉め始めた。狙いを定めるのを止めてまで、肘で小突き始めたではないか。

 後列は隙間から、狙いを定める『フリだけ』続行だ。

 誰が交渉するのかで揉めているのは、レッド・ゼロだけでなく、陸軍側でも同じに見える。『どうぞどうぞ』の譲り合いか?

 体を大きく揺すっているのを見ると、だいぶ難航しているようだ。

 それでも『揉めている内容が何なのか』は、全然判らないのだが。


「任せろ。こういうのはなぁ、ハッキリ言った方が良いんだ」

「判った。任せたぞ? しっかりやれよ」

 ケツをパンと叩いて、直ぐに銃を構えた。勿論『フリ』だが。


「マザーコンピューターを今すぐ止めろっ!」「何だよそれぇ」

 大声を挙げた瞬間、レッドゼロ側は二人ズッコケた。陸軍側の方はと言うと、交渉役が決まったようだ。三人が横一列に並ぶ。

 白服の陸軍士官を真ん中に、右側が背広の小男。左側がノッポの背広だ。そいつが右手を口に添えた。


 あれ? 軍人は一人か? まぁ良い。どうせエンジニアだろう。きっとトイレに行く所だったに違いない。いざとなったら、人質にして脅迫すれば、マザーコンピューターを止めるのに役立つだろう。


「ミントちゃん! 『あれ』よろしくぅ」

 交渉とは程遠い『謎のワード』が聞こえて、レッド・ゼロの一同は顔を見合わせる。『はい』でも『YES』でもないのもあるが。

「何て言った?」「あれ」「じゃなくてぇ」「ミントちゃん?」

「意味判んねぇ」「おい、声が小さかったんじゃないのかぁ?」

 互いに『聞き間違いか』と思っているのだろう。


「ちょっと待て。何の音だ?」「こっちから『キュイーン』って?」

 突然耳障りな音が聞こえて来る。それがドンドン大きくなって来るではないか。右からも左からも。あれ? 上からも?

 両サイドの二人が交渉役を無視して、勝手に叫び出した。


『キュイィィィィ「おいっ! これは何だぁっ!」ィィィィン!』

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