表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
869/1542

アンダーグラウンド掃討作戦(二百二十二)

「所で、赤坂さぁん。うわっ! ねずみっ! でかっ!」

「なっ! 何だよぉ。ねずみ位で驚くなよぉ。びっくりしたなぁ」

 右へ左へ似たような道。退屈で仕方ない。だから赤丸は、さっきから『ここは何処』であり、もう直ぐ『私は誰』になるだろう。

 ならないか。話の腰を折るなと? 申し訳ない。


「ゴールなら、まだまだだぞぉ?」

「まぁじぃすぅかぁ?」「まじまじぃ。おう、ココ気を付けろ」

「いや、聞きたいのはそれじゃなくてですねぇ、アブねっ」

 こんな狭くて暗い場所からは、早く抜け出したい。二人は臭いには慣れて、もう鼻をつまんではいなかった。

 所々で体を支えるために『両手を使わざるを得ない』状況に追い込まれたというのもあるのだが。


「だから、『気を付けろ』って言っただろうがぁ」

「上手く避けたじゃないですかぁ」

 この通路、アトラクションにしては安全性に問題がある。

 古いガス管が破裂して、溜まっているガスが漏れ出ている所や、『安全化』していない雨水などが溜まっている箇所もある。

 それをすり抜けるのも一苦労だ。


 この世界、『雨に濡れて人が溶けてしまう』のであるなら、『水分補給』は一体どうしているのか。このままだと、インスタントの味噌汁も、カップラーメンでさえも食べられなくなってしまう。


 しかしそれでも、人は水と共にあるもの。

 都合の良いことに、雨は太陽の光に照らされると『安全化』することが、『長年の経験』によって確認されている。

 理由は説明されていない。て言うか『禁忌』として、研究すらもされていないのが実情だ。


「所で、何を聞きたかったんだぁ?」「あぁ、それですけどねぇ」

 赤坂が思い出したように、この世界の説明を打ち切った。赤丸も少々遠慮していたようだが、赤坂が逆に聞いて来たのだから聞こう。


「本部に撃ち込んだ強力なライフル、厩橋で使えば良かったのに」

「あぁ、そのことか」「あれだったら、ロボ撃ち抜けるんじゃ?」

 少し広い所に出て、取り敢えず二人は伸びをした。

 どうやら先はまだ長いようだ。退屈な地下通路を歩くだけでは、集中力も途切れがちになる。

 それに作戦についても、『全体の方針』を知っておきたかった。


「今回、どう見ても向うの方が、数、多いだろう?」

「うじゃうじゃ来ましたよねぇ。俺、あんなの初めて見ましたよ」

 赤坂は戦闘経験者だが、赤丸に同意すると苦笑いで頷いた。


「うちの主力兵器である『M16』でさぁ、撃ち抜けないんだよ」

「まじすか。でも、『この辺』を狙えば行けるんじゃないすかぁ?」

 赤丸は右手で『拳銃の形』を作り、自分のこめかみを指した。

 赤坂にはそれが、どう見ても『拳銃自殺をする』ようにしか見えないのだが、きっと『頭を狙えば』だと汲み取ることにする。


「ダメダメ。あいつら頭なんか無くても、動き続けるから」

「へぇぇ。気持ち悪ぃ。『頭なんか飾りだっ!』なんすねっ!」

「いや、奴らそうは言ってないと思うけどさぁ」「違うんすかぁ」

「知ぃらねぇよぉ。だから、『人間の方』を狙うことにしたのっ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ