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アンダーグラウンド掃討作戦(百八十五)

 ブラック・ゼロからの情報は、直ぐに伝わった。

 皆笑顔になっていた。何しろ『機械化軍団が停止したこと』はもちろんだが、『コトコトが現れた』ことが大きい。


 そうでなければ『機械化軍団が停止した理由』について、誰にも説明が出来ないだろう。現にレッド・ゼロの司令官である赤井は、最初は耳を疑っていたのだ。『止まる訳がない』と。


 古今東西広しと言えど、『NJSのコンピュータに侵入できた』のは『コトコトだけの偉業』なのだ。

 だからこそ、『コトコトの正体』及び『現在の所在地』については、赤井からの厳命で『極秘扱い』となった。


 折り返しブラック・ゼロには、『護衛』について依頼するしかない。この戦いに勝利するには、それが必須とも言える。

 そして『ホットライン』についても同様だ。

 しかし無線が使えないアンダーグラウンドで、どう構築するかは早急に決定する必要があるだろう。

 何れにしても、それが『命綱』であることには変らない。


「秋葉原に『観測班』を向かわせろっ!」「はいっ」

 作戦本部で地図を広げた赤井が、秋葉原貨物駅を指して言う。

 返事をした観測班の班長が、後ろに控える『伝令』に指示を出して直ぐに振り返った。


「厩橋の爆破準備は?」「整っています」「了解」

「蔵前橋も行けるか?」「問題ありません」「良し」

 満足そうに赤井が頷く。敵の進軍ルートは全て把握している。

 陸軍の演習データを入手し、アルバトロスからも情報を得て確度は百%近くにまで高まっていた。


 だとしたら、隅田川跡が大きな『空堀』と化しているのだから、それを利用しない手はない。

 厩橋も蔵前橋も、今ではアンダーグラウンドの下で静かに眠る『歴史建造物』かもしれないが、申し訳ない。

 今は例えるべき流れもなし。今日で鉄屑になって貰おう。


 感傷に浸っていた赤井だが、ふと気が付いて顔を上げた。

 厩橋も蔵前橋も陸軍がベッタリと張り付いていて、とても『爆薬を仕掛ける』ことなど出来ないはずだからだ。


「爆薬は、どうやって仕掛けたのかね? 陸軍がいただろう?」

 不思議そうな顔をして、返事をした爆破班に尋ねる。

 すると爆破班の班長は、一瞬『何を今更』という顔になったのだが、努めて明るい笑顔になっていた。


「あぁ、強いて言えば、これから仕掛けるんです」

 はいはい。強いて言えば、無理に笑っている。そんな笑顔を見てしまっては、赤井だって笑顔になってしまうと言うものだ。


「おいおい。大丈夫なんだろうなぁ? 頼むよぉ」

「任せて下さい。キッチリ爆破して見せますからっ」

 随分と自信ありげだ。赤井はゆっくりと首を傾げながらも、一旦は信じるしかなさそうだ。次の『確認事項』に移ろう。


「敵本部の急襲部隊、設営場所の特定は?」「はい。こちらです」

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