表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
639/1542

ハッカー殲滅作戦(二百七十二)

「空軍がスクランブル発進して、接近して来ます」

 ご機嫌な東京散歩をしている最中に、ミントちゃんからの警告が来た。ご丁寧に『EMERGENCY』と点滅しているからに、相当切迫した状況の様だ。


「何でぇ?」

 呑気に聞いているのは、操縦桿を握る、あっ、鼻くそを穿っていて握っていなかった、今握った高田部長イーグルである。

 厄介なことに、本人は『悪いこと』をしている自覚がない。


「何処からだ?」

 冷静なのは、バルカン砲のトリガーに手を、こっちは抜いた鼻毛を『フッ』っとやって、ちゃんとズボンで手を拭いてから、今掛けた本部長ペンギンである。


『調布から二機、柏から二機』「それは陸軍だな」

『立川から、未確認の新鋭二機も上がっています』

「おいおいおい。何をやっているんだよっ」

 そんなには相手できないぞっ、な感じで右手を振り、突っ込みを入れている。


 どうやら本部長ペンギンにもヘリのバルカン砲で、戦闘機六機を相手にする程の腕はないようだ。


「もう近くにいるの? 見えないけど」

 見えた時はもう終わりなのだが、上下左右を見える範囲で見渡している。しかし、戦闘機の『セ』の字もない。


『高度八千メートルへ向けて、マッハ2で上昇中です』

「マジでっ?」「そりゃぁ受けるっ!」

 それを聞いた二人がゲラゲラと笑い出す。


 どうやらスクランブル発進した戦闘機は、トランスポンダーが表示した高度を信じ、一直線に上昇中の様だ。

 きっと8Gに耐えながら、東京上空に突如現れた『戦略爆撃機』目指して突進中なのだろう。


「じゃぁその隙に、東京湾にでも捨てて来ますか」

「そうだなぁ。夢の島辺りに捨てて置けば、バレないだろう」

 呑気な二人は『ヘリの捨て場所』を検討し始めた。


『東京湾は、現在海軍により閉鎖されています』

「えっ、そうなの?」「何で海軍まで?」

『横須賀に待機中だった全艦に、出航命令が下った様です』

 二人は訳が判らなくて首を傾げる。

『東京湾内の全船舶は機関停止の命を受け、従わない船は無警告で轟沈するとお触れが出ています』

 あらま、随分と物騒な命令が。二人は眉毛を八の字にする。


 もしかして、館山基地から緊急発進した対潜ヘリが、次々とソナーブイを東京湾に投下し、横須賀の母艦へと向かう。

 入れ替わりに、下総基地から飛来した対潜哨戒機が、血眼になって東京湾上空を飛び回るのも、時間の問題か?


「何処でも良いから、早めに降りようぜ」「そうですね」

 何だか嫌な予感がしてきて、二人は小声で相談し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ