表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
592/1541

ハッカー殲滅作戦(二百二十五)

 足元に転がって来た荒山の頭を蹴り飛ばすと、今度は水平に回転して飛んで行く。まるで、さっき蹴り飛ばした89式のようだ。

 違うのは、その方向だけで。


「じゃぁ、行きましょうか」

 配達ロボは既に動き出している。高田部長イーグルも、結構気が短い。再び『ついてこーい』モードに切り替えて歩き始めた。

「そうだな」

 返事をした本部長ペンギンであるが、歩き始めたのは高田部長イーグルとは反対方向だ。それをチラリと確認したのに、配達ロボの行列が止まる気配はない。


 本部長は89式を左手で拾い上げていた。そして右手で弾倉を抜き、残弾を確認する。

『フッ』

 荒山が簡単に捨てた『理由わけ』を理解する。そして『カチン』と弾倉をセットすると、両手で両端を持って高く振り上げた。


「弾が、空っぽじゃねぇかよっ」(バキッ)

 両手を振り下ろす勢いと、下から突き上げた太ももの勢い。その狭間で叩き折って投げ捨てる。これで使えないだろう。


 近所に落ちていたベレッタの『右子』を右手で拾い上げると、クルクルと回して右のホルスターに挿す。すると両足を肩幅に広げ、少し右手をホルスターから離して静止した。

 目は鋭く『誰か』を睨み付けて鋭い。


 次の瞬間、本部長ペンギンは右子を抜き、目の前に突き出していた。早撃ちだ。瞬きする間の一瞬の出来事だ。


「バーン(カチッ)」

 しかし銃声は、文字通り『声』だった。どうやら右子も、残弾ゼロだったようだ。本部長ペンギンは再びクルクル回しながら、高田部長イーグルの後を小走りで追う。


「おーい。弾倉マガジンくれよぉ」「えぇーっ」

 本部長ペンギンの要求に高田部長イーグルは振り向いたが、それは渋い顔であった。


「無いのかよっ!」「有りますよぉ」

「早くよこせっ!」「えぇーっ」

 更に加速して高田部長イーグルに追い付いた本部長ペンギンが、遠慮なくケツから背中の辺りをポンポン叩く。


 勝手に弾倉を探し始められた高田部長イーグルが、とてもくすぐったそうにしているが、それでもノートパソコンは落とさない。


「こっちですよぉ」「どれだよぉ」

 ノートパソコンの方を見ながら、配達ロボの方を指さした。しかしそれは、ゾロゾロ行列しているではないか。どれだか判らない。


 すると高田部長イーグルも「あぁ、そうか」と思ったのか、急に立ち止まって配達ロボの一団を眺め、首を振って持ち主を探す。

 そして、急に笑ったかと思ったら『後ろの焼け跡』を指さした。


「アハハッ。すいません。あっちだったかも?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ