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ハッカー殲滅作戦(二百十四)

「それであと、何処爆破しますぅ?」「そうだなぁ」

 ノートパソコンを広げて、物騒な会話をしている奴らがいる。

 爆発音はこれで三回目だ。三回目の爆発は、長ーく連続して聞こえて来たので、丸ッとまとめて『一回の内』とした。


 高田部長イーグルが広げているノートパソコンを、本部長ペンギンが覗き込んで考え込んでいる。歩きながらだ。

 その様子は一風変わっていて、考えているようには見えない。


 普通の『考える仕草』なら、『手で頭をポリポリする』又は『手を顎に付けて首を捻る』の二択である筈だ。


 それ以外の、『手でケツを掻く』は、昨日風呂に入っていないか、出した後、よく拭いていないかのどちらかだし、『脇の下を掻く』も、昨日風呂に入っていないか、加齢によるカサカサ肌であって、考えている訳ではない。断言しよう。


 本部長ペンギンは愛用のベレッタ二挺を、時折腕をクロスさせながらクルクル回している。そして、同時にホルスターに挿す。


「ココだよなぁ」「やっぱり、そうですよねぇ」

 ディスプレイを指さしたかと思ったら、再びベレッタを両手で抜く。凄く速い。まるで西部劇のガンマンのようだ。

 しかし高田部長イーグルにしてみれば、本部長ペンギンが指さした場所を、どうやって『効率良く爆破するか』を考えるのに夢中で、拳銃捌きはシカトだ。

 そのまま『うーん』と唸って、ボリボリとケツを掻く。


「一発ぶち込めば、行けますかねぇ?」

 高田部長イーグルが右手の親指で後ろを指す。それを見て、本部長ペンギンは再びベレッタ二挺をホルスターに挿した。


「ちょっと厳しいだろうなぁ」「ですよねぇ」

 二人の後ろには『配達ロボ』が十機、ぞろぞろと付いて来ている。


 高田部長イーグルが破壊した、配達ロボの『センターコンソール』が、ミントちゃんの強力な協力により、ノートパソコンに再現されていた。そうなればもう、お手の物である。

 早速『ココに集まれぇ』コマンドを発行し、人差し指を掲げたのだ。お陰で生き残りの十機が集まったという訳である。

 そして、集まった配達ロボに、手順通り『オプション機能』を追加した上で、チョチョイと『追跡モード』に変更し、今度は『こちらですよぉ』の旗を振っている。という訳だ。


「一機突入すると、地面が荒れるからなぁ」

 本部長ペンギンが渋い顔をして前を向くと、再びベレッタ二挺をクルクル回し始めた。高田部長イーグルも頷く。


「今度、『キャタピラ』にしましょうか?」「うーん」

 そんな提案を今更聞いても、本部長ペンギンは右手のベレッタだけをホルスターに挿して、首を横に振るだけだ。

 キャタピラだと『俊敏性に劣る』という判断なのだろう。


「だからぁ、最初から仕掛けて置けばっ、良かったんだよぉ」

 本部長ペンギンは、右手の人差し指でノートパソコンをトントンした後に、脇の下をボリボリと掻く。そして、ニヤリと笑った。

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