表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
524/1535

ハッカー殲滅作戦(百五十八)

 暗闇に近い地下牢は、静かで良い。

 まぁ、時々『ガンッ!』「静かにしろっ!」なんて聞こえているが、それ位は騒音の内には入らない。生きが良いのがいるなぁ。


 ベッドのシーツはさっき、少しだけ血を拭くのに使ってしまった。トイレの水を浄化して、飲用するのにも使えるだろう。

『ネズミ』や『G』が出る気配はない。うーむ。食料調達に困る。

 しかしこんな所に、いつまでも居るつもりはない。


 本部長ペンギンはベッドに座って、瞑想していた。


 地下牢の扉は電子ロックで、破壊コードを入力すれば、いつでも脱出可能だ。北海道の地獄に比べれば、ここは天国に等しい。しかし、どこをつねらなくても『夢ではない』ことは明らか。


 車が到着したのは、曲がった回数と距離からして、都内である。

 しかも新宿辺り。歌舞伎町を通ったのは確かで、『オンナの匂い』がプンプンしていた。『フェニックス』の朱美ちゃん元気かな。


 まぁその内に、高田部長イーグルが来るだろう。


 そうしたら電子ロックを破壊して、こんな所はさっさと脱出。かかって来る奴は、どいつもこいつも皆殺しだ。


 これだけの施設。ガスの施設もあるだろう。

 そうしたら、ガスの冷却装置に割り込んで停止させ、緊急遮断弁への電源供給を停止。速やかに変電施設に侵入して、昇圧したままロックしてやる。


 今日は新宿で『花火』だ。『しだれ柳』とは行かないがな。


 あと、情報サーバは、保存されているファイルと同名の『ゼロバイトファイル』を生成し、強制バックアップを開始だな。

 全ての世代、全ての保存サーバに『ゼロバイトファイル』を送ってやるからな。


 本部長ペンギンは瞑想しているのに、はやる気持ちを押さえられない。うっかり『ニヤリ』と笑ってしまった。


 慌てて『ペチン』と自分の頬を叩く。

 どうも自分は『顔に出やすいタイプ』のようだ。いかんいかん。


 さっきから『監視員の足音』が『高田部長イーグルの足音』に聞こえてならない。

 だから『コツコツ』という足音が近づいて来る度に、自然と笑顔溢れる『素敵なお顔』になっているのを自覚する。


 ドアが開いたら、とりあえず顔面に一発パンチ。

 向こうも警戒して、拳銃をぶっ放して来るだろうから、そこはヒラリと躱して、拳銃を掴んで捻る。

 まぁ、トリガーに入れっぱなしの人差し指が、折れるかもしれないが、俺の指じゃないし問題ない。


 あいつだって『瓦割り演舞』に、めちゃくちゃ丈夫な『三州瓦』を用意したんだ。覚えてるからな。二十枚割ったら小指折れたわっ。

 これでチャラにしてやっからよ。早く来い。ニヤニヤ。ペチン。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ