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ハッカー殲滅作戦(九十)

『ドゴーン!』

 車の中で手榴弾が爆発したときは、こんな感じです。

 何とか止まった麻布班二号車は、そんなテロップで表現されているように見えた。


「追えっ!」「判ってる!」

 再び走り出した。何だか後ろの方で『ガゴガゴ』音がしているが、気にしている暇はない。

 DB2のボンネットは、ご丁寧にも閉じているではないか。

 何だ? 運転中に開けたり閉めたり出来るのか? いや、そんな仕様であってたまるものか!


 麻布班一号車とDB2が、互いに進路妨害し合っている。いや、正確には、麻布班一号車から『バズーカ砲』で狙われているDB2が、逃げ回っているだけだ。


『パシュッツ!(シュゥゥゥゥ)』

 撃った! DB2に向かって真っすぐに飛んで行く。しかし、スピンターンを決めたDB2のボンネットが、再び盾のように持ち上がった。


『ゴンッ! ドゴーン! (ガシャーン)』

 流石に今度は耐え切れない。DB2のボンネットが、車体から外れて吹き飛ばされた。そしてその角が、フロントガラスに当たってヒビが入った。

 本部長ペンギンが運転しながら、フロントガラスをぶん殴って外そうとしている。


「やったぞっ!」「もう一発とどめだっ!」

 確かに、盾がなくなったDB2にあと一発でもぶち込めば、停車しただろう。

 しかしそれは、別にバズーカ砲や手榴弾でなくても良かった。足元に転がっているM9で十分だったのに、それには気が付かない。

 するとDB2が、遂に麻布班一号車に『背を向けて』走り出す。


「追えっ! 早くっ」「あぁ。スピード競争なら負けないぜっ!」

 流石最新型電気自動車。加速が凄い。DB2の背中が見えて来た。しかも、さっきまで蛇行して逃げ回っていたDB2が、一直線に走っているだけではないか。


「撃ち込んでやれっ!」「任せとけっ」

 次弾を装填したバズーカ砲を持ち、椅子の上に乗る。そして、サンルーフから乗り出して構えた。

「食らえっ!」『ボォォォン!』

 そう叫んだのとDB2が叫んだのが、ほぼ同時だった。

 一直線に進むバズーカ砲の弾が、DB2に温められた地面に直撃して爆発する。


「糞っ! どうなってんだっ!」

 天上の上から喚き散らす声が、車内にも聞こえて来る。

「あいつ、ニトロまで積んでやがるのか?」

「とにかく追えっ! 追うんだっ」「判ってるっ」

 運転手はめい一杯アクセルを踏んだ。なりふり構ってなんかいられない。すると後ろから、三号車が追い付いて来た。

 向うも目が血走っている。こうなったら、どっちが先にるか、競争だっ!

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