表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
419/1533

ハッカー殲滅作戦(五十四)ハッカーの反撃

「カンパーイ!」「カンパーイ!」「カンパーイ!」

 本部長ペンギン高田部長イーグル牧夫カイトの三人は、注がれたビールジョッキを持って乾杯した。

 クゥゥゥッ! 仕事の後のビールは美味い!


「さぁ、どんどん食え! 美味いぞぅ」

 本部長ペンギンが『バンバン焼き』を始めた。あっという間に鉄板が肉で埋まって行く。

 それを箸で、どんどんひっくり返して行くのは、高田部長イーグル牧夫カイトの役目だ。


「そう言えば牧夫カイト、お前飲めたのかぁ?」

「えぇ。ちょっとだけなら」

 人差し指と親指でも示す。そして、ペコペコ頷いた。

 まぁ、美味そうな肉を前にして、下戸は一旦お休みだ。笑顔の牧夫カイトはそう言うことにして、再び肉をひっくり返す。

 ジュージュー焼ける肉のサウンドが、食卓に轟いている。


 高田部長イーグルが良く焼けた肉を一枚取って、本部長ペンギンの皿に一枚乗せる。そして、レア気味のを自分の皿に三枚。

 パクっと一口に頬張ると、流石の高田部長イーグルも笑顔になった。そして、グビグビっとビールを流し込んで行く。


「良いねぇ。良い飲みっぷりだねぇ」

 そう言っているときだけ、本部長ペンギンの箸は止まる。

 その間に牧夫カイトは、まだ焼けていない肉を火力の強い所へと配置換え。

 すると、動き始めた本部長ペンギンの箸は、スペースの空いた火力の弱い所へ肉を置いて行く。三人の流れるような連携だ。

 仕事もこれくらい協力し合えば良いのに。


「奥さん! ビールお代わりお願いしまぁすっ!」

「はいはい。孝雄ちゃん。最初から飛ばしますねぇ」

 本部長ペンギンの妻、本部京子が笑顔で応待する。突然の来訪であっても、嫌な顔の一つもせずにいるのは、大したものだ。


「はい。これ、お通し。グラス頂きますね」

 高田部長イーグルがグラスを渡す。その横では、京子から貰った皿を受けった牧夫カイトが、じっと『お通し』を見ている。


「これ、何ですか?」

「お塩ですよ? ホホホッ!」

 空ジョッキを持って、口を押さえて笑う京子は台所へ行ってしまった。そこにビールサーバーがあるのだ。サーバー名は知らぬ。

 牧夫カイトが『これが本当の塩対応』なんて思っていると、それを高田部長イーグルがパッと取り上げた。


本部長ペンギン、お塩、来ましたよぉ」

 流れるようにササっと差し出す。本部長ペンギンは手を止めて笑顔になると、それを受け取った。

「おぉ、すまんねぇ。やっぱり日本酒にはコレだよなぁ」

 塩は、普通に『お通し』だったようだ。しかもその塩を一掴み取ると、自分の肉にパラパラっと振りかけた。


「美味いっ!」「ささっ、もう一枚焼けましたよぉ」

 飲んで歌って踊って飲んでは、まだ始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ