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海底パイプライン(百十二)

「えぇえぇっ、そんなの何回観れば良いんですかぁ?」「さぁ?」

「酷いなぁ」「俺だって知らないよぉ」「無責任だなぁ」

 琴坂課長だって判るはずもない。最終選抜に残った女の子が、親しくなった男の子を何人指名し、映画の中で誰と『良い感じ』になるかなんて誰にも判らないからだ。

 多分『映画』と言っても、実質上『ゲーム配信』みたいなことになるのではないかと思われる。知らんけど。


「でも『観るだけ』なら、普通にディスプレイで良いんですけどぉ」

 つまらないことを言われて、琴坂課長は渋い顔になっていた。

「専用ハードじゃなくても?」「そうですよぉ」「言えてるよなぁ」

「そんなこと無いだろうがよぉ」「そんなこと有りますってぇ……」

 さっきから何度も『専用ハード』と言ってお茶を濁して来たのに、どうも奴らは『勘が悪い』と言えそうだ。思わず溜息。

「だって『人がプレイしている』のを、見てるだけっすよねぇ?」

 言われた琴坂課長は『ドームの外で鑑賞している奴』を指さした。

「3Dゴーグルまで着けて?」「それを販売すりゃぁ良いんですよ」

 横で聞いていた奴からの提案で、琴坂課長は更に渋い顔に。

 例によってスクリーンを『タンッ』と叩くと、『専用ハードのご案内』が表示されたではないか。それはゴム製の『何か』だ。


「これ『男用』と『女用』の『専用ギア』でなぁ。どっちが『男用』かは、一応説明するまでも無いよな?」「まぁ、見りゃ判りますよ」

「これをお互いに装着して『リンク』を張るとだ、感触が『ビクンビクン』と伝わって来るって寸法だぁ。どうだ凄いだろぉ?」

「えっ? マジすかぁ?」「そうだ。マジだ」「おぉおぉおぉっ!」

 さっき『ジョイスティックで似たような物』を見たばかりの奴らだが、今度は目を見張って感嘆符をぶち上げている。

「当然『リンクを張れる』のは、観賞用の『専用ブース内のみ』な」

「そっ、そういうことかぁ……」「ちなみに、こちら『買取』ねぇ」

 片目を瞑って苦笑い。すると一同納得して大きく頷く。

「そりゃそうでしょうなぁ」「アルコール消毒してあっても嫌だわ」

 スクリーンはいつの間に『ギアの使用について』に変っていた。


「相手が『戦闘女子』だった場合は『学習結果』が反映されてぇ」

 図を見ながらの説明に、一同の目は見開いていた。どうやら『親密度』が高ければ高い程『タフな動き』が観戦者にも一斉配信される仕掛けではないか。これは『ディスプレイでの再現』は不可能だ。


「あと『メイドさん』だった場合は、『女用で感じた圧』がそのまま反映される。これはまぁ『リアルな男女が密会する』用途向けね」

「えっメイドも『最終選抜』に選ばれるんですかぁ?」「マジィ?」

「そりゃそうだ。だって長旅で『純潔』を守るために『女同士』ってのも考慮しないと。多様性を考えれば当然の配慮でしょうよぉ」

「何か違う気がするけど、まぁ良いかぁ」「これ男同士もあるなぁ」

 時代は変わりつつあるようだ。まぁ『最終決戦』に相応しいか。


「じゃぁ『3P』も行けるんですかぁ?」「戦闘女子と?」「はい」

 突然の質問に琴坂課長は首を傾げている。直ぐに横槍が入った。

「おいおい。一人ゲットするのだって大変なのに二人も行けるか?」

「やっぱりかぁ」「まぁ『3Pしたいだけ』なら、双子を選択するってのも有りだけど。一応『キャラのバリエーション』でね。ある」

「そんな『お得なセット』なセットが?」「うん。こんな感じの娘」

 現れたのは一卵性双生児と思しき二人のキャラ。ポーズを決めて。

「こっちが『サンカン』で、こっちが『シオン』かな。あれ逆か?」

「いやその名前……」「三寒四温って」「だって三女と四女だから」

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