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海底パイプライン(六十六)

 この作品のポリシーとして『時系列』がある。

 えーっと、新人賞に応募するような作品のばやい、五時脱磁にチューいするのは勿論のこと、話の構成上むやみやたらと回想シーンを挟み、話をわざわざ面倒臭い構成にするんじゃねぇぞコノヤロウ。

 と、あったので『へー。そうですかぁ。じゃぁそうしまーす』と書き始めたのが本作品(第五作目・蜜柑)である。


 止む無く回想シーンを挟むばやいは、数行の説明に留めたり、セリフのみとして来た。まぁ、それ位なら『判らねぇぞコノヤロウ』と怒る読者も三万二千七百六十八分の二位はいるかもしれないが、それは知ったこっちゃない。


 と言う訳で、ここから暫く『ちょいと前の話』にフィードバックするが、話の構成上必要に迫られてのことであり、必須。分岐した枝葉の話ではなく、幹となる本筋の話なので、堂々と戻らせて頂く。

 なぁに。何年も前ということではない。ほんの少し、三カ月前の出来事であるからにして。そして話が終われば現在に戻って来る。


<♪ファンファンファンファンファァァン♪>


『ピンポーン』「はーい。今行きまぁすぅ」

 携帯をしまい朱美は立ち上がった。待ち人が来たようだ。

 時計を見ると指定された時刻通り。秒針が今『五秒』を経過した所だ。何だか時報を見ながら押したような気がして、朱美は笑う。


『大丈夫。信頼の出来る人で頼んであるから、留守番よろしくね』

 電話口で徹がそう言っていたのを思い出す。

 確かに友人との『お茶会』ならいざ知らず『ビジネス』の場合は、先ず時間通りに来て貰うことが『信頼の第一歩』と言えるだろう。

 インターフォンの小さな画面に映し出されているのは、遠目に見て『黒ぶち眼鏡の男』だ。随分と真面目そう。近付くと作業着のボタンを全て留めていて、直立不動で立ち尽くしているではないか。


『フフッ。『徹さんから信頼されている人』って、一体どんな人?』

 礼儀正しくきちんとしているのか、それとも緊張しているだけなのか。朱美は右手を口にやって『クスリ』と笑う。薬剤師だけに。

 しかしそれは、小さな画面を覗き込んだ瞬間、真顔へと変わる。


『ゲゲッ、高田部長イーグル? それに本部長ペンギン?』

 出来ればそのままお帰り願いたい。しかし徹との約束が……。

 朱美は息を呑んだ。絶・対・『他人の激似』であって欲しい。


「は、はい、山っいえっあのっ、ゆ、ゆ、弓原でございますぅ……」

『私NJS・AV事業部の高田と申します』「はい。ご苦労様です」

『おいバレてんぞ? 声、震えちゃってんじゃねぇかよっ』『ねぇ』

『だぁから俺は『予定通り』にしとけって。この出しゃばり野郎が』

『そぉおよぉ。私、朱美ちゃんと『お友達』って言ったのにさぁ!』

『黙ってろよぉ。本日は、機器の最終調整に伺いましたぁ』「……」

 後ろに並んでいる三人にも見覚えがある。右に『本部長ペンギン』左に『琴坂主任カイト・ホーク』の姿が。

 そして高田部長イーグルの陰からテレビカメラに映ろうと、ピョコピョコ顔を覗かせているのは『琴坂琴美コトコト』ではないか。一体四人も『危険人物』が揃って『何を』しに来た?


『ほら言わんこっちゃない。シカトじゃん。コレ開けてくれるの?』

『まだ工事中だし、玄関扉一枚位良いだろう』『おっ鉄拳行くぅ?』

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