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海底パイプライン(二十)

 再び揺れ始めた静は実にご機嫌である。見ている方も嬉しい。

 色っぽく勝を眺めながら、ゆっくりと瞬き。首の角度を艶めかしく変えながら、ゆったりと両手で勝の体を撫でまわす。

 それでいて体重は、しっかりと勝の方に掛けて来る。なぁに。この重さなら、全く問題にならない。

 寧ろ『問題』になるとしたら、それは『回数』の方。


「良いわぁ。あぁん。良いわぁ。ああん。すっごぉい……」

 時々良い所に『ヒット』するのか、手を止め上を向く。プルルン。

 そんな静を徹は、顔色一つ変えずに鑑賞し続けている。難しい顔。

 退屈なのかって? いやそんなことは勿論ない。勝にしてみれば静は、相も変わらず出逢った頃のまま。今も可愛い女子高生である。


「ああん、またっ! いやんまだぁあ。お願いぃ……」

 ならば『掌の上』で踊らせるようなもの。現実は『腰の上』で踊らせている訳だが。静の『ヒット』だって、無論『狙い通り』だ。

 静が『あと一回』とせがむのはいつものこと。その次は『もう一度』と強請る。もうダメになると……。それもまた愛おしきかな。


「あっあぁっ! あぁぁ……」「朱美さん、大丈夫かねぇ?」

 勝が両手を頭にやって『他の女』のことを喋り始めた。

 別に『手を出す』なんてことではないと静は判っている。それでも『気に入らない』のは変わらない。勝の方に強めに倒れた。


「別に良いんじゃない?」「でも、島のこと気にしてたしなぁ」

 それは静も思っていた。いずれ徹は『独り立ち』しなければならない。『吉野財閥の一員』とはなれないからだ。

 それは静にとっても『心配の種』であるが、だからと言って『何か出来るか』と言われれば残念。何も出来ない。

 何故なら『徹が独り立ちするとき』とは、『静が亡くなった後』のことであるからだ。それは『今すぐ』では、いや今、何気に『腹上死』しそうになったがセーフ。もうちょっと後のことと思いたい。


「もし本当に『軍の犬』だったら、ちゃんと判らせてあげるから」

 笑顔で勝の胸に『の』の字。勝は安心して微笑む。

 流石は『優しい義母』である。可愛い『徹の嫁』なのだ。静に任せておけば安心。面倒も見て貰えるだろう。後始末だって。


「でもあくまでも『優しく』ね? 静さん『強いとき』あるからぁ」

 勝が笑いながら『念押し』したのには訳がある。静は勝が顎で示した先を見た。そこにあったのは『最終決戦用』の『鞭』だ。


「あらやだぁん。私、そんなに『強い』かしらぁ?」

 照れながらも静はベッドサイドの鞭に手を伸ばす。勝は苦笑いだ。

 用途に合わせて『長』『短』取り揃えてある。その内の二本、短いのを掴んで上半身を起こす。景気付けに先ずはベッドに向けて『パンッ』と。ほら『強い』だなんて、そんな訳があるはずがない。


「俺だから『耐えられる』んだからね?」「んもぅ。判ったわぁ」

『バシンッ』『バシンッ』「これ位なら良いかしら?」「んんー」

『バシンッ』『バシンッ』「これ位?」「いや強いよ」「やだぁ」

 パッと鞭を放り投げた静が倒れて来る。勝が腰を動かしたからだ。

 再び勝の胸に飛び込んだ静だが『どうしよっかなぁ』と笑っているではないか。勝は『もぉ』と思いながらも静の頭を優しく撫でる。


「せめて『楽』にね?」「判ったわ『勝さんの言う通り』にするっ」

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