表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1119/1535

アンダーグラウンド掃討作戦(四百七十一)

 周りでは銃撃戦が始まっていた。廃ビルの上からの乱射。

 確かに赤月からの『全員退避』の指示はあったものの、それを聞いたのはバリケード付近の奴らだけだったのだ。

 バリケードは効果を高めるために、廃ビルがある場所に設置されている。そして廃ビルの中にも少なからずの人数が配置されていた。


『パパパッ』『パァァン』『パパパッ』『ダダダダッ』

 寄せ集めらしく、多種多様な発砲音が響き渡り、辺りは騒然とし始めた。耳を澄ませば『チャリンチャリン』と、薬莢が落ちる音も聞こえるかもしれないが、誰も聞いてはいないだろう。


「始まったぞっ! 早く押せっ!」「押してるよ!」

 さっきから押しているのに、黒星は三ミリしか進んでいない。

「イテテテテッ! 引いてどうすんだよっ!」「やっぱだめか」

 試しに引いてみたのだが、何と言うことでしょう。ピッタリとはまってしまっているではないか。


『ヶッヶッ! ぃぃょぃぃょぉ』「テメェ、何言ってんだよっ!」

 その証拠に、下から聞こえる声も大分小さくなってしまっている。

 しかし怒ったり叫んだりしてみても、既にピクリとも動かなくなってしまっているのは明らかだ。赤月は押すのを諦めた。


『ブゥゥン。ピコピコッ』

 不思議な音がして、赤月は音のした方を見上げた。ギョッとする。

「うわっ! 見つかったっ!」「何だぁ? あっ!」

 赤月は咄嗟に腕で顔を隠す。そこには殺人ドローンがフワフワとホバリングしていたからだ。急ぎ横目で銀色のシートを探す。


 しかし直ぐに気が付いた。自分が今『生きている』ことに。

 殺人ドローンは人を見つけたら、基本『瞬殺』である。それが二人を目の前にして、何故まだ生きていられるのか。

 そして今聞こえた『ピコピコ』音は、一体何なのか。


「丁度『リセット』してやがるな」「リセット?」「あぁ」

 黒星がしたり顔で言う。そりゃそうだろう。何しろ『自分で開発した兵器』なのだから。自慢したくなる気持ちも判る。


「何かのトラブルが発生したときに、飛びながらでも出来るんだ」

 偉そうにドローンを指さしながら、振り向いての説明だ。

「詳しいんだな。流石ブラック・ゼロなだけはある」「ま、まぁな」

 黒星は耳を澄ませる。確かに今のは『指示過多』によるリセット音。だとしたらあと数秒は大丈夫なはず。


「再起動した後はどうなるんだ?」「そりゃぁ、再び殺戮の限りさ」

 またもしたり顔で説明するのだが、どうしてそこまで『余裕』で居られるのか。赤月は一瞬『黒星の陰』に隠れて逃れようと考えたが、黒星がやられた後は次は自分。

 かと言って走り出せば、自分が真っ先に狙われる可能性も。


「やヴぁいじゃねぇかよっ!」「大丈夫だ。ジッとしてろ」

『コンニチワッ! ミントチャンダヨッ! 夜露死苦ネッ★彡』

「起動したぞ」「うわわわわっ!」「大丈夫だって。動くなよぉ」

 背後の赤星を庇うように両腕を伸ばし、まるで『守っている』かのよう。凄く珍しいことだ。調和型無人飛行体ミントちゃんがゆっくりと回転し、銃口が黒星を向いてもなお。確かに発砲は無い。

 しかし隣のカメラが、『ピント合わせる動き』で光を反射させた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ